木工How-to 中級者編

【木工DIY】スロットレール用フリップ式ストップブロックを作る|マイターソーステーションで使用する治具

前回スライド丸ノコ用に着脱式のマイターソーステーションを制作しました。

マイターソーステーションを使用すれば精度良く何回も同じ長さにカットすることができてかなり重宝します。

マイターソーステーションの制作記事は下から見れます。

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今回はこのマイターソーステーションで使用するストップブロックを新しく作ります。

フリップ式として、ストップブロックの材料が当たる部分が動くので非常に使いやすくなっています。

詳しくは本題で説明していこうと思います。

 

この記事の内容は動画でも見ることができます。

一度動画を見てからこちらの解説記事を読んだ方が内容を把握しやすいかなと思います。

固定式とフリップ式ストップブロックの違い

こちらがマイターソーステーション本体制作時に作っておいたストップブロックになります。

こちらはとてもシンプルな作りで、このストップブロックをスロットレール上で固定することでカットする材料を当てて同じ長さに毎回カットできるというものです。

ただ、このストップブロックの欠点が一度位置を決めてストップブロックを固定するとその位置より長い材料をカットすることができないという点です。

長い材料をカットしようとすると一度ストップブロックをズラさなければならないので再度固定するとどうしても微妙な長さのズレが発生してしまいます。

 

例えば、木材の端がバリバリなので両端をカットして決められた長さにしたいときは、一度決められた長さより長めに片方をカットしてから所定の長さでカットします。

そうなるとこのストップブロックでは長い状態でカットすることができないということになります。

なので、この問題を解消してくれるのが今回制作するフリップ式のストップブロックになります。

このフリップ式は材料が当たる部分が動きます。

なので長い状態でカットしたい時は上の写真のようにストップブロックを上に動かしてカットします。

そして、決められた長さにカットするときに再度下ろしてカットします。

このフリップ式のストップブロックがあれば、一度カットしたい長さを決めた状態で長い状態でも切ることができるということになります。

フリップ式ストップブロック作り
1. 材料の切り出し

まずは各必要となる材料を切り出します。

切り出すのに使用するのはもちろん前回作ったマイターソーステーションです。

直角の精度も出ているので本当便利です。

このように切り出しが完了です。

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フリップ式ストップブロック作り
2. フリップ板の加工

それでは先にフリップする板の加工から初めていきます。

合っているかわかりませんが、ここからはフリップ板と呼んでいきます。

フリップ板は半円の形にするのでコンパスを使用して円を書いていきます。

フリップ板の形は色々考えた結果このような形になりました。

またマイターソーステーションで印をしたところを切り出していきます。

ただ、スライド丸ノコだとどうしても最後まで刃が入りません。

なので残った部分はノコギリで切ります。

円形のところも少しずつカットして形にしていきます。

スライド丸ノコではここまでが限界なので後は手作業でやっていきます。

円形のところは長めに切った紙やすりで擦っていきます。

スライド丸ノコで切れなかったところはノコギリで切っていきます。

角の細かい処理はノミを使用して仕上げていきます。

ここで再度スライド丸ノコでフリップ板の下部の丸みを作って再度やすりで仕上げておきます。

ここからはボール盤で穴を開けていきます。

今開けているところは動かす時の持ち手となる穴になります。

ここは軸部分になります。

M8のボルトが入るように穴を開けています。

ガタつきが何なるべくないように作りたいので今回は7.9mmで開けています。

ここで試しに思った通りに動くか確認してみます。

ボルト穴下部の円の形状が少ないため動かすときにレールと当たってしまうことがわかりました。

ヤスリで再度削って当たらないように調整をします。

これでフリップ板の形はできました。

ここからはこのフリップ板が動く仕組みを作っていきます。

このフリップ板にはナットを埋め込むのでボルトを使用して印をつけます。

そうしたらここの印に合わせてノミで掘っていきます。

M8ボルト用のナットの掘るには6mm幅のノミが必要で急遽購入しました。

ボルトを打ち込んでみてピッタリハマることを確認します。

最終的にナットを入れますが、ここでボルトを使用しているのは何度か深さを確認する際にやりやすいからです。

基本的にボルトの頭とナットは同じ形状になっているので問題ありません。

持ち手部分をトリマースタンドを使用して丸面に面取りし持ちやすくします。

トリマースタンドの作り方は下の記事で解説しています。

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次は全体を軽く面取りするので角面ビットに交換します。

これでフリップ板の加工が完了です。

フリップ式ストップブロック作り
3. ストップブロック本体の加工

次はフリップ板を固定するストップブロックの本体部分の加工をしていきます。

こちらは非常に小さい部材ですが、非常に大切な部材です。

中心にM8に合わせた穴を開けておきます。

 

本体下部の端に20㎜の穴を開けます。

これは後々わかりますが、ダブルナットとワッシャーが隠れて取り付く穴になります。

スロットレール用のボルト穴を開けておきます。

ここはM6の径になります。

20㎜で開けた穴の端はノミで貫通させます。

ここで小さな部材と本体部分を一度ビス止めします。

ビス打ち時のズレをなるべく少なくしたいのでアロンアルファで仮止めをしてビスを打っていきます。

アロンアルファは少量なら仮止めとして使うことができ、後々簡単に剥がすことができます。

かなり角にビスを打つので材料が割れないようにしっかりと下穴を開けておきます。

ビスは額縁など細かいものに使用する細ビスを使用しています。

ビスの頭がめり込む時は割れる危険があるのでしっかりと皿取り錐で処理してからビスを最後まで打ち込みます。

後々外しますが、一旦ビスで固定をすることができました。

これでストップブロックの本体部分も完成となります。

フリップ式ストップブロック作り
4. サンドペーパーとオイル塗装で仕上げ

ここで各部材を塗装していきます。

まずは紙ヤスリでしっかりと表面を研磨します。

面取りした角は手で丁寧に仕上げておきます。

塗装はいつも通りワトコオイルです。

持ち手の穴の内側をしっかり塗っておきます。

これで各部材の塗装まで完了しました。

フリップ式ストップブロック作り
5. 組み立て

ここから組み立てれば完成です。

まずは埋め込むナットを入れていきます。

念の為接着剤も使用して固定しておきます。

しっかり打ち込んでおきます。

フリップ板にM8のボルトと大きめのワッシャを使用してしっかりと締め付けます。

ここで本体の固定していた小物部分を外します。

埋め込んだナットの上にワッシャーを入れます。

次に小物部分を差し込みます。

そうしたらナットで締めて、

さらにダブルナットにして緩まないように締め付けます。

ここでポイントなので、締め付け具合はフリップ板がガタつくことなく、グラつかない締め付け加減で締めるということです。

ガタつくとカットするときの精度が悪くなるし締めすぎると動きが悪くなってしまいます。

締め加減を調整したら再度本体にビス止めします。

ビスを角に打っているのでフリップ板があってもなんとかビスを打つことができます。

これでフリップ式ストップブロックの組み立てが完了です。

フリップ式ストップブロックの完成

それでは早速以前使用していたストップブロックを取り外して新しく作ったフリップ式に交換してみます。

こちらがフリップ式になります。

フリップ板を下げているときはこのような状態です。

板を上げるとこのように材料をストップブロックの固定した位置より長い状態でもカットすることができます。

そして板を下げれば切りたい長さにカットすることができます。

なので、部材の両端をカットしたい時はまず板を上げてカットします。

そして板を下げてカットします。

程よく締め付けたのでガタ付きがありませんが、念の為3本の木材を同じ長さにカットして精度を確認してみます。

3本とも同じ長さでカットすることが出来ていました。

フリップ式ストップブロックを作る:まとめ

今回は卓上スライド丸ノコ用に作ったマイターソーステーションに使用する、フリップ式ストップブロックを制作しました。

このフリップ式のストップブロックがあると以前より材料の切り出しがやりやすくなります。

この作りを利用すればテーブルソーのクロスカットなどでも使えと思うのでぜひ参考にしてみてください。

 

この記事の内容は動画でも見ることが出来ます。

動画もぜひご視聴よろしくお願いします。