木工How-to 入門編

ノコギリで垂直にまっすぐ木材を切るコツ 正しい使い方を1から解説

今回はノコギリの使い方に関して解説していきます。

DIYを始めてやるときって、木を切るのにノコギリを使用すると思います。

いきなり、丸ノコなどの電動工具を使用する人はおそらく少ないでしょう。

 

そして、木を切ってみるんですが、ほとんど方が材料に対して垂直にまっすぐきれいに切れないはずです。

なおっぺ
なおっぺ
DIYをやり始めてノコギリが上手く扱えないのは、決してあなたが不器用なわけではありません。

誰だって最初は上手く扱えません。

諦めずにちゃんとしたノコギリの切り方とコツを学んでいきましょう

ノコギリはDIY初心者が最初に使用する木工工具ですが、簡単そうに見えて難易度は高いです。

もちろん、斜めでも雑でもいいならギコギコ気合で切ればOKですが、精度を求めるとちょっとしたノコギリの使い方の知識とコツが必要になります。

 

なので、今回は建具職人として木材を扱っている私がノコギリでまっすぐ切るコツを解説していきます。

 

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ノコギリの基本動作

まずはノコギリの基本動作を覚えましょう。

何にしても基本は重要です。

しっかりと読み飛ばさずに確認していきましょう。

 

ノコギリは材料の角から切り始める

木材をノコギリで切るときは、ノコギリの刃を角に当てて切り始めます。

間違いは木材の真上からいきなり材料と平行に切ろうとすることです。

写真のように木材の奥の角から切るのが基本的な切り始めです。

 

ノコギリは押すのでなく、引いて切る

ノコギリといえば「ギコギコ」と押して、引いてを繰り返す動作と思いがちですが、実はノコギリは「引くこと」で木材を切っています。

押す力ってほとんどいらないのです。

なので、正確には「ギコギコ」でなく「ギコ、スー、ギコ、スー」というわけです。

力加減で言うと、「10ある力の7を引く力、3を押す力」ぐらいのイメージで切っていまいます。

 

力まず程よく力を入れて切る

先ほど「7を引く力、3を押す力」と説明しましたが、絶対に10の力で引いてはきれいに切れません。

力みすぎては返ってきれいに切ることができません。

 

スポーツなどでも力みは逆に力が出ないといいますよね。

それと同じです。

 

むしろ力を入れずにノコギリの刃の力だけで一回切ってみましょう。

意外と切れるはずです。

なので、ノコギリ本来の切れ味を信じてそこに自分の力を少し加えてやるイメージで切るといい力加減で切ることができます。

 

ノコギリに対して顔は真ん中にして刃をまっすぐ見る

まっすぐ切るならまっすぐノコギリを見て切る必要があります。

ではまっすぐとは顔がどの位置にあればいいのかというと、目と目の真ん中をノコギリの刃の通りに合わせるのがちょうどいいでしょう。

つまり、「正しいノコギリの姿勢とは鼻と刃が同じ位置に来るようにすればいい」のです。

 

ですが、この位置だと慣れないと少し違和感があると思います。

なぜなら、右利きの方の場合ノコギリは体の右側で切るのに、顔をノコギリの位置まで持ってくると体を傾けているような姿勢になります。

 

でも、その姿勢で合っています。

まっすぐ切るためには絶対に顔もまっすぐでなければまっすぐ切ることはできません。

 

まっすぐ切るためにも適切な姿勢で切るようにしましょう。

 

印しの線に指を置いてからノコギリの刃を合わせる

よく初心者にありがちなのが、切り始めの位置になかなか刃を合わせることができないことです。

なおっぺ
なおっぺ
刃を何度も切る位置に当てなおしたことありませんか?

僕は何度もありました。

そして切りたい位置に中々刃が合わずにイライラすることも……

でもこれって非常に簡単に解決します。

 

それは、切る位置に先に指を置いておくのです。

そして、ノコギリの刃を指に合わせて木材に置けば簡単にノコギリの刃を切り出す位置に合わせることができます。

 

木材の切り始めだけゆっくり切る

ノコギリを使ってみると分かると思いますが、一番最初の切り始めが難しいです。

切り始めれば切った溝に沿って切り進められますが、最初だけ溝がないので、ノコギリの刃が左右にとブレブレになってしまいがちです。

 

このような状態にならないためにも、最初だけゆっくり切り始めます。

そしてその時押す力はもう0でいいです。

引くだけで十分です。

つまり、引いて少し切ったら刃を木材から離してもう一度引きます。

引くだけをゆっくり繰り返せばきれいな最初の溝ができます。

 

ノコギリを寝かせ気味にして刃の進む溝を作る

最初の溝を上手く作れたら、次はノコギリの刃を写真のように少し寝かせましょう。

寝かすことで、木材の深く切り込みが入らずに切り始める面に長く溝を見れることができます。

こうすることによって、ノコギリの刃が溝をレール代わりにしてブレずに安定することができます。

材料の置き方

台を使用してノコギリで切る

ノコギリで木材を切るときには必ず、台の上に木材を載せて切りましょう。

そうしないと、最後の切り終わり時に床を傷つけるだけでなく、切る木材が床のゴミなどに当たって傷や凹みができてしまいます。

私は自作した墨付け用の台で切っていますが、特に台替わりになるものなら何でもいいです。

以前切った木材のあまりでもいいと思います。

 

木材をしっかり固定してからノコギリで切る

片手で材料を抑えて切っても問題はありませんが、材料を抑えながら切ると余計な力みにもなってしまいます。

理想はクランプなどで材料を固定して、切ることに集中して切る方がまっすぐきれいに切れます。

 

「カッコ良く、片足で材料を抑えて両手で切る」

初心者がそんな姿勢でまっすぐ切れに切れるわけありません。

 

しっかりクランプで固定してから切りましょう。

 

 

切り落とす側は固定しない

切り落とす側は固定したり、台の上に載せてはいけません。

台と台の間で安定するからとノコギリで切ろうとすると必ずといっていいほど刃が材料に挟まってしまいます。

 

切り落とす側はフリーな状態で切るのが正しい切り方です。

 

切り落とす側を支えてしまうと、切り進めたときに溝が押されて、材料の上側が刃を挟む力が加わってしまうので。

 

簡単に理解するにはこちらの図をご覧ください。

こちらは台と台の間で材料を切っている図になります。

下に切っていく力が加わることで、刃が材料に挟まってしまうのが分かります。

 

次に切り落とす側がフリーだとこのような図になります。

 

内側に入り込む力が発生しないので、刃が挟まらずに切り進めることができます。

 

 

ノコギリで切るための墨付けのやり方

差し金、スコヤを使って垂直な線を引く

まっすぐ切るためには、切る技術だけでなく、垂直にまっすぐ切るための線が引けなければ切れません。

なので、材料に対して垂直に引くために、「差し金」や「スコヤ」を使用して垂直な線を引いていきます。

 

私のオススメは「スコヤ」です。

より正確に垂直な線を引くのは、差し金よりスコヤの方が精度が高いです。

差し金は使用していると曲がってしまい正確な90°が出ない時があります。

 

とはいっても、最初から差し金とスコヤ両方揃えてられないというときは、差し金にしましょう。

差し金の方が長い線が引けて、垂直な線以外にも使い道があるので、最初は差し金を準備しましょう。

 

差し金、スコヤを使用して墨をするやり方は、また後日別記事にて解説します。

 

 

印しの外、中、真ん中のどこで切るかで長さが変わる

精度を上げて切るためには墨をする線が細い方がずれが少なく切ることができます。

例えば鉛筆だと使い続けていくうちに先が丸くなってしまい、墨をする線が太くなったり、線の位置にずれが生じます。

更には写真のように、線の内側で切るか、真ん中で切るか、外で切るかで1mm以上長さが変わってしまいます。

線の内側で切ると、ノコギリの刃の厚さ分も多く切れてしまうので予定より短くなってしまったなんてことも。

 

これが大工工事など規模が大きな工事での墨付けでコンマ数ミリならまだ問題ありませんが、おそらくこちらの記事を見てくれている方はDIYなどで、家具や、棚を作ろうとしている方が多いのではないでしょうか?

家具や、棚作りは少しの狂いがすぐにガタツキに繋がります。

なのでなるべく精度が高く、ずれのない墨付けとカットが必要になります。

 

そのためにも、墨付けの線は細いに越したことはないのです。

 

墨付けにオススメは0.2mmの極細シャーペン

そこで私がオススメする墨付けの道具が0.2mmの極細シャーペンです。

 

例えば上の商品だと0.2mmと極細で書くことができ、かつ芯が出ない状態で書くことができるため芯が折れにくいタイプのシャーペンになります。

 

紙でなく木材に書くので通常より引っ掛かりが強く、普通のシャーペンだとすぐ折れてしまうのですが、このシャーペンだと折れにくい為0.2mmという極細ながら木材に墨付けができてかなり便利です。

 

実際に0.2mmのシャーペンで墨付けした状態がこちらです。

これなら墨付けによる寸法誤差が少なく切ることができます。

 

普段は文房具ですが、意外とDIYに使用できる便利アイテムなんです。

材料を回して切る

厚さのある材料ほど切り終わるまでの距離があるので、まっすぐ下まで切りにくいです。

なので、厚みがあるときは材料を回しながら切ります。

写真のように角から面へ角から面へとノコギリで少しずつ切っていきます。

回しながら切ることで、切り始めから切り終わりまでの距離が厚さの半分になるので、単純にズレが少なくなります。

 

この時に最初に説明した、角からゆっくり切り始めてノコギリを寝かせ気味にしてノコギリノ溝を作っていくことを忘れてはいけません。

 

また、回し切りする意味はもう一点理由があります。

それは、材料が掛けるのを防ぐ効果があります。

 

おそらくノコギリを一度でも使用したことあれば経験があると思います。

ノコギリで木材を切り進めて切り終わる途中で木材が折れてしまうことありませんか?

このような状態ですね。

 

これは切りたい材料が長いと起きる現象で、材料の重さで、ノコギリで切っている部分が重さに耐えられなくなり折れてしまう現象です。

そして、折れたときにたちが悪いのが、切りたい材料が欠けてしまうことがあります。

 

ですが、この回し切りをすることで、切り終わりが、材料の真ん中になるので、切り終わりが欠けることがありません。

 

結果的に回し切りをするとはまっすぐ切りやすく材料が欠けにくいということになります。

 

ノコギリで切るときのコツ!!

試し切りして自分の切る癖を見つける

これまで解説した方法を学んで切れば必ずしもまっすぐきれいに切れるほど簡単ではないんですよね。

何度か試しに切ってみたり練習も必要になります。

 

そこで、上達するためにチェックすべきポイントが、自分の切る時の癖を把握することです。

人によって切り方に癖があり、いつも同じ方向に斜めになってしまうなど癖があることがほとんどです。

 

なおっぺ
なおっぺ
例えば、私なら切っていく途中に刃が外に逃げて行ってしまい、切り口が斜めになりやすいという癖があります。

 

しかし、自分の癖を把握してやることでどんどん上達してまっすぐ切れるようになります。

 

何度か試し切りをして自分の癖を把握しましょう。

 

ノコギリの刃全体を使用して切る

ノコギリで切る際最初は材料の角をゆっくり切ると解説しましたが、切り始め後は、ノコギリノは全体を使用して切っていきます。

初心者だと、小さいストロークでちょこちょこと切っていきたくなりますが、それだとまっすぐ切ることができません。

 

長いストロークで切ることでス~~トまっすぐ切れます。

 

ここで、更にちょっとしたコツですが、長いストロークで切るといっても、早く強く切れというわけではないの勘違いしないでください。

長いストロークでゆっくりでいいので切ることがポイントになります。

 

導突き鋸を使用する

導突き鋸とは、上の写真のような刃の上に補強付き、刃自体の通常のノコギリよりを薄くできています。

なので、簡単に言うと切りやすいです。

そして、切り口がびっくりするくらいきれいです。

バリバリにはまずなりません。

 

この導突き鋸は組子など非常に細かい作業でも使用するノコギリです。

精度を上げるなら導突き鋸も検討してみてもいいと思います。

 

最終手段ガイドを使用する

今では誰でもまっすぐ切れるようにガイドが販売されています。

「ノコギリを切る練習なんて忙しくてできない!」

というかたはガイドを取り入れてみましょう。

 

私がオススメするガイドの2種類を紹介します。

 

こちらの諸品はノコギリとセットで販売されています。

ガイドの安定感もプラスチックより精度がいいので、しっかりとまっすぐ切りたい方にオススメです。

 

こちらは補助的なガイドです。

プラスチックのガイドにマグネットが付いているので、マグネットに鋸の刃がくっ付いた状態で切れるので、まっすぐ真下に切っていくことができます。

それで値段が700円ほどで買えるのでお手頃でオススメとなります。

 

 

ノコギリの使い方:まとめ

基本動作まとめ
  • ノコギリは材料の角から切り始める
  • ノコギリは押すのでなく、引いて切る
  • 力まず程よく力を入れて切る
  • ノコギリに対して顔は真ん中にして刃をまっすぐ見る
  • 墨線に指を置いてからノコギリの刃を合わせる
  • 木材の切り始めだけゆっくり切る
  • ノコギリを寝かせ気味にして刃の進む溝を作る
材料の置き方まとめ
  • 台を使用して切る
  • 木材をしっかり固定してから切る
  • 切り落とす側は固定しない
墨付け~切る時のコツのまとめ
  • 印の外、中、真ん中のどこで切るかで長さが変わる
  • 材料を回して切る
  • 試し切りして自分の切る癖を見つける
  • ノコギリの刃全体を使用して切る

以上がノコギリを使用するやり方とまっすぐ切れに切る方法になります。

誰でも最初はきれいに切れません。

でも少し練習すれば簡単に切れますので、今回解説した方法を思い出しながらぜひ練習してみてください。