DIYをするときに木材を購入するのはホームセンターがほとんどではないでしょうか?
何を作るかで何の木材を選ぶかは変わってくると思いますが、おそらく使用する機会が多い木材といえば、SPFやホワイトウッドの材種で加工されるのいわゆるツーバイ材ではないでしょうか?
いざホームセンターでツーバイ材を購入しようとすると材料のバラつきが非常に多いのが分かると思います。
日用品などと違い、木材は反りや、節、割れや欠けなどどれも同品質の商品ではないのです。
でも、もちろん金額は同じです。
なので、誰でもどうせなら少しでも高品質は木材を購入したいと思うでしょう。
今回は建具職人として働いている私が、ホームセンターでツーバイ材を選ぶポイントを6つに分けて紹介します。
今回紹介する木材の選び方はツーバイ材以外にもホームセンターで販売されている、「野縁」や「垂木」と表記されているいわゆる「長物」と呼ばれる材料や、杉やヒノキ、赤松などの材種にも使える材料を選ぶポイントです。
また、購入した後に自宅で加工するときにも材料の癖を見極めながら加工をすることは非常に大切です。
なのでしっかり覚えておいてください。
ツーバイ材の材種
ツーバイ材は主にSPFともホワイトウッドの2種類が販売されています。
SPFもホワイトウッドも特徴や見た目などはほとんど同じといっていいでしょう。
それでも少し違い特徴があるので解説しておきます。
ホワイトウッドの方がSPFに比べて節が小さく色が白っぽいという特徴があります。
SPFはホワイトウッドより色味が黄色に近く、耐久性も少し強くなっています。
また、SPDは、S(スプルス)P(パイン)F(ファー)という3種類木材の総称になります。
では違う材料が入り混じっているのかというと、そうでもなくほぼほぼ同じです。
なので、ここでは深く考えずにSPFと総称で覚えておきましょう。
私としてはSPFも、ホワイトウッドもほとんど一緒です。
そんなに気にせず価格などで決めてしまっていいでしょう。
ただ、節が小さいホワイトウッドの方が見た目がいいのでどちらかといえばホワイトウッドがいいかと思います。
木材を選ぶポイントは?
それでは、木材を選ぶポイントですが、初めて木材を選ぼうとしている人にも理解できるように簡単に見分けられる順で紹介していきます。
全部で6つのポイントで解説していきます。
最後には職人ぽい見分け方も紹介するのでしっかり確認して木材を見極められるようにしましょう。
木材を選ぶポイント1. 欠けがないこと
一番わかりやすいポイントとしては木材に「欠け」がないかを確認しましょう。
欠けるのは木材の質による原因と加工時に発生する原因があります。
上の写真を見てみてください。
写真も木材はおそらく加工時にできた欠けになると思います。
この材料は木材の実がなくなってしまっているので、このような材料は選ばない方がいいです。
次はこのような状態です。
こちらはもともと節があった部分になります。
節に関しては後で解説します。
こちらの場合は「抜け節」といって、節があったところが抜けてしまっています。
このような抜け節がある材料は選ばないようにしましょう。
木材を選ぶポイント2. 割れがないこと
材料に大なり小なり割れが入っている場合があります。
割れはのちのち欠けに繋がったりする可能性があるし、割れが経年変化で大きくなってしまうことがあります。
表だけ割れていて、裏側れていない場合でも後々割れが大きなるので、小さな割れでも選ばない方がいいです。
大きい割れは見つけにくいですが、小さい割れは少し見つけにくいですが、しっかり選定しましょう。
木材を選ぶポイント3. ヤニがないこと
写真で分かるように樹液のような蜜が出ている材料がありこれを「ヤニ」と呼んでいます。
ヤニはべたべたしているうえに、今後さらにヤニが出てくることもあるので、ヤニがない場所を選ぶようにしましょう。
木材を選ぶポイント4. 節がないこと
最初の欠けの時にも抜け節を紹介しましたが、こちらで節について紹介します。
そもそも節とは、木が成長するうえで枝を包み込んだ時にできるのが節です。
なので、節とは木の枝のことなんです。
その節ですが、DIYなどで使用する木材としては見た目があまり良くはない部分になります。
そして、節には先に紹介した抜け節以外に「生き節」と「死に節」に分かれます。
「死に節」は選ばない方がいい
こちらは死に節になります。
死に節とは枯れた枝でできた節になるので節が枯れています。
なので、周りの部分とも繊維が繋がっていないのでゆくゆくは抜け節になったりと材料の質としては良くないといえます。
「生き節」はまだ使える
こちらは生き節の写真です。
生き節とは枯れていない枝でできた節です。
なので、周りの繊維ともつながった状態なので死に節に比べてまだ使用できる節ということになります。
どちらにしても、節があまりない材料の方が良材といえます。
木材を選ぶポイント5. 木目(見た目)がいいこと
見た目が良い方がいいですが、見た目が悪くなる理由に先ほど説明した節が大きく関係します。
節があるとその周りの木目が不規則になる場合が非常に多いです。
また、節が大きいほど木目が悪くなります。
どちらにしても節が少ない木材の方が結果的に良材となりやすいということです。
後は自分が見て、見た目がきれいな木材を素直に選ぶということでもいいですね。
木材を選ぶポイント6. 反りがないこと
この「反り」はちょっと慣れないと少し難しいのですが、非常に大切なことなのでしっかり理解してほしいです。
それでも、ちゃんとした反りの見方を理解すれば簡単に分かるのでしっかり覚えましょう。
そもそも木材は木材の癖や乾燥収縮など様々な要因で反りが発生します。
また、反りがある材料で作品を作ろうとすると、組み立てるときに隙間ができたり、ガタツキなど仕上がりに大きく影響が出ます。
なので、木材の反りが少ない材料を選ぶことは非常に重要になります。
反りを見るには、「木材をにらむ」必要があります。
この「にらむ」とは材料を上の写真のように目と木材をの目線を合わせて、反りがないかを確認する方法をいいます。
また、少し専門的に言うと、このにらむことを「木材の通りを見る」といいます。
木工所などでは、
「木をにらんで通りを確認する」なんて使い方をします。
おそらく私の推測ですが、この通りを見るときに目を細めて見るところからにらむと呼ばれているんだと思います。
では通りを見る方法ですが、
材料と目線を合わせたら、材料が左か右に沿っているかを見ます。
上や下に沿っているかの見方はしません。
その時は材料を90度曲げて確認します。
先ほどの写真を見ると材料が右に沿っているのが分かります。
では、90度向きを変えます。
こちらは反りが少ないのが分かります。
では問題です。
こちらはどちらに沿っているでしょうか?
正解は左に沿っています。
このように木材をにらんで、通りを見ることは木材選びそして、その後の加工時に非常に大切なのでホームセンターで実際に試してみてください。
また、材料が細いほどかつ薄いほど材料は反りが大きくなります。
なので、反りのない材料を選ぶならなるべくサイズの大きい材料を選ぶのがコツです。
作る材料を考えて材料を選ぶ
ここまで木材の選ぶポイントを紹介しましたが、正直全てのポイントをクリアできる材料はそうないです。
なので、自分が作る作品を考えて少しは妥協して木材を選ぶのがいいです。
つまり、作成する作品に合わせて使用する木材の場所を考えて選ぶんです。
例えば、反りが少なくて良材だけど、真ん中にデカい節があるようなときは、
節を除いて材料を切って使用できないかを考えるんです。
他にも節の部分を作品の目立たない位置に持ってこれないかなども考えられます。
例えばテーブルの裏になら節があっても見えないので、片面だけきれいな材料を選べばいいわけです。
それと、ホームセンターでカットをお願いする場合は、
「ここを除いてカットしてください」と店員さんにちゃんと伝える必要がありますね。
でないと、関係なく端からカットされる可能性もあるので気を付けてください。
バンドで固定されている材料は注意
材料によってはバンドで固定されて並んでいる商品があります。
一見反りがなくきれいに束ねられているように見えるので、
「バンドで束ねられた商品を選べばいいじゃん」は
ダメです。
バンドでまとめらているときは反りが少なく見えますが、
このバンドを外して時間が経つとみるみる反りが出てきます。
なので、バンドが付いている状態は外した後どうなるかが分からないので非常にどうなるかわからない材料だといえます。
私は、バンドが外れている材料を時間が掛かりますが、一本一本見ていくのが一番いいと思っています。
ホームセンターで木材を選ぶポイント:まとめ
- 欠けがない
- 割れがない
- ヤニがない
- 節が少ない(死に節は避ける)
- 節による木目が悪いものは避ける
- 反りがない
この6ポイントをみて、良い木材を選んでください。
選ぶことが簡単なポイントもあれば、反りを見るときの「木材をにらんで通りを見る」ようなちょっと職人のような見るポイントもあります。
一本一本見るのは大変ですが、良い材料も悪い材料もどれを選んでも値段は一緒なのでどうせなら少しでもいい材料を探しだしてDIYを楽しんではいかがでしょうか?