DIYなどで木材を加工しているときに傷やへこみを付けてしまうことはどうしてもあります。
例えば、インパクトドライバーでビス止めするときに先端のビットが材料を刺してしまったとか、トンカチで釘を打とうとしたら材料を叩いてしまった、ノコギリで切り間違えたなどなど。
傷やへこみ以外では材料と材料を組んだときに隙間ができてしまったり、節を埋めたりなども……
このような木材の補修が必要なときはウッドパテは非常に便利です。
ドライバーのビットによる穴や隙間、節の穴を目立たずに埋めてくれるのでDIYをやる方はぜひウッドパテを持っていた方がいいです。
また、ホームセンターで購入するようなSPFやホワイトウッドのツーバイ材などは節や割れがどうしても多いのでウッドパテは必需品とも言えます。
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実際に私も建具職人として日々木工品を制作していますが、どうしてもヤスリで落ちない傷やちょっとした隙を埋めるときなどで大変助かっています。
では、実際にウッドパテに関して詳しく紹介と使用しながら使い方を解説していきます。
使用するウッドパテの紹介
このウッドパテは私の木工所でも実際に使用しているもので、一言でいうと
「簡単で楽に使用できるウッドパテ」です。
このウッドパテをすればちょっとしたミスであれば新しく材料を調達しなくても補修で解決できることもできます。
コニシのウッドパテはタモ白とラワンの2色
今回紹介するウッドパテはコニシから出している商品になります。
こちらは「タモ白」と「ラワン」の2色が売られています。
タモ白
タモ白は白っぽい色でDIYで使用するSPFやパイン集成材などに近い色となっています。
タモ白という名前だからタモ材しか使えないということはありません。
ラワン
ラワン色はタモ白に比べて茶色っぽい色になります。
杉の赤材や、ナラ材などに近い色になっています。
ウッドパテの特徴1. 小さな傷や隙間に向いている
ウッドパテを使用するのは大きな傷より小さな傷が向いています。
ウッドパテは乾燥すると痩せてしまうので大きな傷はあまり得意ではありません。
なので、材料と材料を組んだ時の隙間や、木材が繊維に沿って剥がれたり、小さな節を埋めるときなどに非常に活躍します。
ウッドパテの特徴2. ウッドパテはヤスリ掛けがしやすい
ボンドや瞬間接着剤などと比べてウッドパテは柔らかいので、ヤスリ掛けが非常にしやすいです。
なのでパテを埋めた後にヤスリ掛けができるので、木材の表面とパテの表面を均一に整えることができます。
最後の仕上がりが非常にきれいでパテによる凸凹やザラザラなどが一切なく仕上げることができます。
ウッドパテの特徴3. ウッドパテは乾燥時間が短い
ヤスリ掛けをするだけならパテ埋めをして1~2時間ぐらいでほとんど固まるので少し他の作業をしていればすぐにヤスリ掛けをすることができます。
ただし、1~2時間では完全に固まっているわけではないので、強く押すと凹むし、ビス止めなどはできないので、完全に乾燥するのは24時間以上は掛かると思ってください。
ウッドパテの注意点1. 塗料によってはパテ跡が目立つ
パテで傷などを目立たなくしても塗料で色を付けたときにパテが目立ってしまうことがあります。
特にオイルステインなど素材に浸透し木目を生かす塗装はパテ部分が目立ちます。
だからといって水性が目立たないわけではないので、一度端材にウッドパテを塗って塗装してみるなど試し塗りをすることをオススメします。
今までの経験上クリアはあまりパテが目立つことなく使用できましたが、ウォールナット色など色合いが濃い色ほどパテが目立っていました。
ウッドパテの注意点2. パテを埋めた周りにパテが残らないようにヤスリ掛けは入念にする
パテ処理したら、パテで直した周りをしっかりパテが残らないようにヤスリで落としてください。
でないと塗装をするときにパテ埋めした部分だけでなく、その周辺まで色むらが発生してしまいます。
少し多めにヤスリ掛けするぐらいがちょうどいいです。
ウッドパテの注意点3. パテは日焼けしない
木は日焼けをします。
特にSPIや松など白っぽい材料は飴色に結構焼けます。
ですが、ウッドパテはほとんど日焼けをしないので、日焼け前は目立たず補修できたと思っても経年劣化でパテ埋めしたところが目立ってくるということがあります。
なので日が当たる部分に置くのかを気をつけましょう。
また、DIYで作った物以外にも、例えばフローリングをパテ埋めしたときも気を付けた方がいいでしょう。
ウッドパテはいろんな場面で使用できる
ウッドパテは非常に便利な道具です。
では実際にどのようなときに使用できるかをまとめてみました。
- ドライバーのビット痕
- ノコギリのノコ目痕
- 材料と材料のつなぎ目の隙間
- 節の穴埋め
- 材料の割れ
- ビス、釘の打ち間違えの補修
- 木材の虫食い痕
- ダボ栓後の隙間埋め
他にもいろんな場面で使用可能ですが、とりあえず8パターンを出してみました。
ウッドパテは失敗した時の補修で使用することもあれば、ダボをビスの頭隠しで付けた後の表面を整えるためにしようしたりと、いろんなパターンで使用できます。
留め切りして隙間をウッドパテできれいに埋めて制作したキーフックプレートです。
実際にウッドパテを使用します
ここまで木工パテの特徴や注意点を説明しましたが、ここからは、実際にウッドパテを使用してご説明していきます。
3種類の材料を使用します
説明した通りウッドパテはタモ白とラワンの2色があるので、いろんな材料で試してみようと思います。
今回は、ナラ、スプルス、杉の3種類を準備したのこちらでパテ埋めをやっていきます。
DIYをする方でSPFやホワイトウッドなどホームセンターで良く売っている木材は今回の中ではスプルスが一番木目や色合いが近い材料になります。
へこみとノコギリ痕を付けます
では、材料の左側はインパクトドライバーで材料を刺してしまったことを想定して、
3か所ずつビットで刺しました。
左から力を少しづつ強くし穴を大きくしています。
右側は丸ノコで2本ノコ目を付けました。
上からナラ、スプルス、杉の順になっています。
今回はこのドライバー痕と丸ノコの痕をパテ埋めしてみます。
へこみと丸ノコの痕をパテ埋めする
では、実際にパテを埋めていきます。
このウッドパテには最初から付属のヘラが付いているので、チューブからパテを出してヘラですくって埋めていきます。
ポイントは、一度にたくさん取って一回で埋めようとせず、少しづつ埋めていくことです。
この時にパテを材料に押し付け気味に埋めていくことで空気が抜けるようにします。
空気が残っていると、後々パテが崩れたり、穴があいたり、パテ痩せの原因になるので強めに埋めていきます。
余計なパテはヘラで落としておく
パテを一通り埋め終わったら、埋めた周辺部分に付着した余分なパテをヘラで落としましょう。
こうすることで後々のヤスリ掛けが楽になります。
また、余りに広範囲にパテを塗り広げてしまった場合はよく絞ったタオルで拭いてもいいです。
しかしその時、埋めた部分も拭いてしまうとせっかく埋めたパテが取れてしまうので注意してください。
あくまで埋めた周りの余分なパテ残りだけを吹き落とします。
水で木材を拭くと材料の表面が荒れてしまいますが、後々ヤスリ掛けをするので問題ありません。
埋めるべき部位の周辺にパテが付着するのを防ぐには埋める部分以外をマスキングテープで養生すると、きれいに埋めることができ、埋める周辺がパテ残りしなくなります。
なので、丁寧な仕事を心がけている方はマスキングテープで養生をするのがいいでしょう。
へこみ、傷が大きいとパテが痩せるので2回以上塗り重ねる
丸ノコのノコ目は大きい傷なので、1回のパテ埋めだけだとパテの水分が抜けてた時にパテが痩せて平らに仕上がりません。
埋める部位が深かったり、範囲が広い場合は、2~3回ほど重ね塗りをするのがポイントとなります。
今回は実際にビス穴もノコ目痕どちらにも2回パテを塗りました。
時間は1回目のパテ埋めから30分後に2回目を塗ったので結構早いペースでやりました。
ヤスリ掛けをする
2回目のパテ埋めから2時間ほど経ってからヤスリ掛けを行いました。
ヤスリ掛けは電動サンダーでやりました。
電動サンダーの中でランダムアクションサンダーという楕円運動をする非常にパワフルなサンダーです。
┗【ランダムサンダーのオススメ】木工職人が選んだボッシュのGEX125-1AE
ヤスリの番手は最初は100番を使用しました。
100番は一般的に粗目でパテの残り等を落とすために使用し、その後180番に変えて表面を整えました。
先ほどもお伝えしましたが、パテの残りがあると塗装の仕上がりが悪くなるのでここのヤスリ掛けはよく確認しながらやってください。
では材料ごとにパテ埋めの結果を見ていきましょう。
パテ埋め後の結果
ナラ材のパテ埋め後
ナラ材にはラワン色のパテを使用しました。
ドライバー痕はぱっと見では分かりにくく仕上がっています。
ノコ目はさすがに分かってしまいますが、それでも切れに埋めることができています。
触った感じはへこんだりザラザラしたりとパテ感はありません。
スプルス材のパテ埋め後
スプルスはもともと使用したタモ白と色が非常に近いだけあり、かなり目立たずに直すことができています。
ビット痕はほとんど、どこだったか分からないほどの仕上がりです。
ノコ目痕もいい感じにきれいに埋めっています。
杉材のパテ埋め後
杉材はラワン色を使用しました。
杉は材料によって赤身と白太という部位によって色合いの違いが大きいので、もし白っぽい部位であればタモ白を使用した方がいいです。
それで今回の仕上がりはというと、切れに埋められていますが、よく見ると分かるなって感じです。
ウッドパテの使い方:まとめ
今回実際に3種類の木材をコニシのウッドパテで埋めていきました。
結果はドライバーのビット痕はほとんど目立たないぐらいまでの仕上がりになるのが分かったと思います。
しかし、丸ノコのノコ目痕はさすがに見た目で埋めたのが分かってしまいますが、しっかりヤスリ掛けすれば触った感じはへこみもザラザラもなく見た目以外は違和感なく仕上がっています。
また、ノコ目痕は木目と直角になっているので一番目立つ方法でした。
なので、このノコ目が木目と並行だと今回より目立ちにくく仕上げることができます。
簡単に楽でここまで埋めることができれば是非このウッドパテDIY用に1本持っていた方がいいでしょう。
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