前回ダイニングテーブルの新しい天板を会社の工場からリメイクしたという記事を作成しました。
まだ見ていていないという方は下から見ることができます。
今回はその続きになります。
前回は天板の割れを「契り」を入れたり、電動サンダーで研磨して塗装をしていましたが、今回は実際にその新しい天板をダイニングテーブルから以前使用していた天板を外して交換をしていきます。
また、以前の使用していた天板は新たに加工をして、新しい天板を裏から支える力板としてリメイクさせます。
なので今回は特に注目してもらいたいのは
- 古い天板を新しい天板を支える力板としてリメイクする
- DIYで相欠きを自宅にある工具で加工する
- ビスの穴の位置を正確に開ける直尺と毛引きを使用した墨付けの方法
DIYでも参考になる内容となっているので参考にしてみてください。
というわけで今回の記事の内容は、ダイニングテーブルの天板を新しい天板に交換して、古い天板は力板として加工をしていくという内容です。
このブログではWeb内覧会として新居を公開しています。
完成したダイニングテーブルなど紹介しているダイニング編は下から見ることができるのでぜひ一緒に見てみてください。
私のDIYや木工作品を紹介している一覧の記事です。
作り方も解説しているので一緒に参考にしてみてください。
- 天板の交換前と交換後
- 以前の天板を脚から外す
- 脚の部材が割れたので補修する
- 古い天板を力板にする 1.部材取り
- 古い天板を力板にする 2.相欠き加工をする
- 古い天板を力板にする 3.仕上げ作業
- 古い天板を力板にする 4.力板にビス穴を開ける
天板の交換前と交換後
まずは、天板の紹介です。
正方形の形の方が以前使用していたダイニングテーブルです。
購入は無印良品で購入した、木製のテーブルなので結構金額的にも高かった記憶があります。
木材はおそらくオーク材にの張り合わせの商品だと思います。
もう既に4,5年は使用していたので天板の一部の塗料が剥がれたり多少傷んでいました。
そして、新しい天板は何と円卓です。
大きさは直径にして1.2mもあります。
写真で比べると伝わりづらいですが、以前の正方形のテーブルより1回り大きくなっています。
木材の材種はナラ材で頑丈、木目や色合いがナチュラルテイストには合いそうな雰囲気を持っています。
オークとナラはほとんど似たような木目で違いが分からないほどなので、一緒に使用しても違和感なく合わせることができます。
以前の天板は新しい天板の力板として補強材に
ここで先に以前の天板の力板としての加工後です。
この写真の中心にある+の形をした天板の補強材が以前の天板を加工して作ったものです。
力板は天板の補強だけでなく脚材の補強にもなりテーブルの揺れが少なくなります。
また、力板を取り付けることで天板の反り防止にもなると思っています。
というわけで、この力板の加工を紹介していきます。
以前の天板を脚から外す
まずは以前使用していた天板をダイニングテーブルの脚の部材から外していきます。
ビスがあるところがダボで隠れている
さっそく想定外のことが発覚!
何とビスで止まっている穴の場所がご丁寧に木ダボを入れてビスが見えないように塞がれているのです。
無印良品は芸が細かかった……
ドリルでダボを削って何とかビスを抜く
考えた結果一番持っているドリルで古いものを使用して木ダボを削っていくことにしました。
古いのを使用するのは、ドリルの刃が削り進めていくときにビスに当たってドリルの刃がダメになってしまうかもしれないからです。
そして、木ダボをドリルで削って、ビスを抜いて、といういきなり地味で時間の掛かる作業が始まりました……
天板と脚はボンドでも固定されていた
ビスを抜て、「よし天板外そう」と思ったら、天板が外れません。
そうなんです、しっかりボンドでも固定をしていたのです。
仕方ないので力ずくで天板と脚材を剥がしました。
脚の部材が割れたので補修する
天板と脚材を無理やり剥がしたときに案の定、脚材の一部が写真のように割れました。
なので、この割れを補修していきます。
割れた部分均等にボンドを塗る
まずは割れた部材にボンドを塗っていきます。
ここでのポイントは薄く全体を塗ることです。
クランプで隙間ができないようにガッチリ締める
ボンドを塗ったら部材どうしを固定していきます。
まず、元通りの位置に部材を合わせたら、写真のようにクランプでガッチリ締め付けます。
今回は割れた部材が薄いので、均等に力が加わるように当て木をして締めています。
出てきたボンドは拭き取る
ほぼ必ず隙間がなくガッチリ締めるとボンドが飛び出てくるので、しっかり拭き取りましょう。
これをサボり乾いてから処理するのは非常に手間がかかります。
脚材の割れ補修完了
乾いたらクランプを外してみます。
最後に微妙なボンドの残りをノミで落としたり、サンドペーパーで仕上げていけば補修の完成です。
写真で見た感じは割れていた部分が全く分からないまでに補修することができました。
もし、この時に隙間ができていたら木工パテなどで埋めるとより目立たなくなります。
古い天板を力板にする 1.部材取り
ではここから以前使用して天板の加工に入ります。
まずは天板を丸ノコでカットして力板の部材を取っていきます。
天板に付いたボンドを鉋で削り落とす
脚から外した天板は写真のようにボンドが付いている状態です。
これだと、この後の作業の精度に支障が出るので、まずはボンドを剥がしてガタツキが無いように平らにしていきます。
ボンドは電動サンダーなどでもいいですが、このようなときには鉋でボンドを剥がした方が早いです。
鉋はただ削るだけでなく、鉋台のおかげで平らに削ってくれます。
なので、鉋をボンドの付着しているところを通すだけで、ボンドが残っているところだけガリガリ削ってくれます。
ただし、鉋の刃が切れなくなりやすいので研いだばっかりの時はやらない方がいいかもしれません。
ボンドが削れました
鉋でボンドを削り終えました。
天板の裏に張ってあったシールも一緒に剥がしておきました。
毛引きで均等な幅の墨をする
ではここから本格的に加工を始めます。
まず、力板のサイズに合わせて、天板を切り落としていきます。
そのために、カットする幅に合わせて墨をしていくのですが、幅をカットする均等に墨をするには、「毛引き」という墨付け用の工具を使用します。
この毛引きを使用すれば、均等な幅に合わせて墨をすることができるので1つ持っていると便利です。
手作りの定規で丸ノコを使用して切り落とす
毛引きで均等な幅の墨を付けることができたので、丸ノコでカットしていきます。
切り落とすのには丸ノコを使用しますが、丸ノコに取り付けるガイドを使用するより、写真ように墨線に合わせて定規を取り付けてカットした方がより正確に切ることができます。
この定規はホームセンターに売っている合板を張り合わせて作っただけの非常に簡単な定規となっています。
鉋でノコ目、反りを取る
切り終えたら、カットした部分を鉋掛けします。
なぜだかというと、丸ノコでカットした面は刃物のノコ目が残ってしまっているからです。
なので、切断面をきれいにするためにも鉋で表面を整えます。
それと、今回失敗したのが丸ノコの刃の角度が正確に90度になっていませんでした。
久しぶりに丸ノコを使用したので角度が狂っていたのに気づかずに確認をおろそかにしてカットしてしまいました。
なので、この角度の誤差を仕方ないので鉋で揃えることとしました。
力板の長さもをえる
天板を切っただけでは、力板にするには長いので長さを揃えます。
その時のポイントは、木目や節などを確認して、目の悪いところを優先的に切り落とすようにしましょう。
私の場合は写真の用な角に節が来ている場所があったのでここを優先的に切り落とせるようにして長さを揃えました。
木材の選び方見方については下の記事を参考にしてみてください。
力板の材料を完成のイメージ
長さも揃えるとができたので一度完成形のイメージを頭で整理しておきます。
こうすることで作業ミスなども減ります。
2本の力板は高さが3mmほど違います
そして、ここで問題です!!
今回力板を相欠きして組むのですが、力板の2枚の部材は写真のように高さが違います。
正確には3mmほど高さを変えています。
なぜだか分かりますか?
正解はこのまま作業内容を確認していて解説します。
古い天板を力板にする 2.相欠き加工をする
力板の部材を取り終えたので、この力板の加工をしていきます。
力板2枚は+の形になるようにするので組み合わせる加工が必要です。
そのようなときは両方の部材を半分ずつ欠き込んで組み合わせる、「相欠き」という加工をします。
相欠き加工をする位置に墨をする
相欠きをするのに、まず墨付けをしていきます。
力板の中心に墨をしていきますが、
- 部材の厚さに合わせて欠き込み幅の墨をする
- 部材の高さに合わせ欠き込みの深さの墨をする
この2種類の墨をしていくわけです。
高さに関しては多少狂っても最後は見えなくなるのであまり問題がありませんが、幅に関しては加工の狂いが見える位置に来るのでより正確な墨付けと加工が求められます。
墨をしたら、加工する場所を間違えないように欠き込む場所を×など何かしら分かるようにしておくと後々加工時に分かりやすいです。
また、墨付けに関しては後日細かい解説をしたいと思います。
丸ノコで切れ目を入れて欠き込みを作る
墨付けが終わったら、欠き込みを作っていきます。
今回は丸ノコを使用して欠き込みを作ります。
墨線のギリギリか気持ち内側を丸ノコで切り欠いていきます。
丸ノコで切り欠くポイントは先に線に沿って両脇を切ってしまいましょう。
この時端から順々にやると間違って切り進めてしまう失敗の可能性があるので、私の場合は先に両脇伸長に切り合わせてから、失敗のしにくい内側を切るようにしています。
力板の相欠きが完了しました。
相欠きをするときは先に両端にノコを入れた方が失敗が減ります。
古い天板を力板にする 3.仕上げ作業
鉋で見える側の面取りをする
相欠きが終わったのでここからは組み立てていくまでの仕上げを行なっていきます。
まず、相欠きで組んだ時に見える側の面取りをします。
これを間違って反対側に面を取ると天板と面するところが変に面取り部分と接するので気をつけるようにします。
電動サンダーで以前の塗装を削り落とす
組み立てる前の最後に以前の塗装を一度きれいに研磨して剥がします。
また、組み立て後に新たに塗装をするので、そのために表面を整えるためにも全体を検査します。
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力板をはめ込んでみる
では一通り組み合わせるまでの加工を終えたので、一度組み合わせてみます。
ここできつい場合はノミやサンドペーパーで微調整をします。
もしくは、組み込む部分で組み合わせ後見えなくなる位置を「木殺し」して入りやすくしておく。
という木工のテクニックなどもありますが、これはまた、詳しく記事にしていこうと思います。
力板の高さを変えた理由
そして、ここで2枚の力板の高さを変えた理由の答えが上の写真をみていただくとわかると思います。
2枚の力板を相欠きして、かつ角を面取りするので面取り分段差を変えなければ、面取り分の溝ができてしまいます。
なので面取りをだいたい3mmと考慮して面取りした角と他の部材が当たらないように3mmの高さを変えたということになります。
ボンドを付けて本止め
相欠きの微調整もできたので、本組みということでボンドを付けて組んでいきます。
念のため、ボンドが乾くまでクランプで固定をしています。
古い天板を力板にする 4.力板にビス穴を開ける
力板を組み合わせたので、最後に力板をビス留めするのでビスを打つ位置にビス穴を開けておきます。
このビスの位置がてきとうだと完成後見えにくい力板ですが、せっかくここまで作っていったの残念な仕上がりになってしまいます。
ここではより正確なビス位置を墨付けする方法を解説していきます。
直尺と直尺ストッパーを使用して穴の位置の距離を墨する
まず、力板の端から50mmの位置に1か所ビスを打つのとそのビス位置から相欠きの中心位置まで間に等間隔で2か所ビスを打つように墨付けをします。
このビス位置の間隔をより正確に出すために使用するのが直尺と直尺ストッパーです。
これのストッパーで力板の端から直尺を使用して正確な墨を書いていきます。
毛引きを使用して力板の幅に対する中心線を墨する
端からビス位置を出したら、力板の幅に対する中心位置にも墨を付けていきます。
この時に使用するのは力板を切る時に使用した「毛引き」です。
毛引きは墨付けかなり便利なので安いやつでいいので1つは買っておいた方がいいでしょう。
ビス穴を開ける位置の墨が完成
写真のように直尺と毛引きを使用して写真のように+に墨付けした位置にビス穴を開けていきます。
この印は後々ビス穴を開ければ消えるように小さめに印を付けています。
ドリルガイドを使用して下穴を開ける
ビス穴を開ける位置に墨付けを終えたので、次にビス用の穴を開けていきます。
この時せっかく正確な墨付けをしても斜めに穴を開けたりしては意味がありません。
真っ直ぐ穴を正確に開ける必要があります。
通常木工の工場などで真っ直ぐ穴を開ける時にはボール盤という穴あけ専用の木工機械を使用しますが、この作業はもちろんDIY自宅でやっています。
なので、ボール盤があるわけもないので、真っ直ぐ穴を開けることができる工具として、写真のようなガイドとなる工具を使用して真っ直ぐ穴を開けるようにします。
一度細いドリルで貫通させたら、次にダボ錐もしくは皿取り錐というある程度ビス穴より大きな穴を開けることができる錐でビス頭が隠れるぐらいまで穴を拡張します。
力板の完成
これで力板の完成です。
ビス穴を写真で見て分かるように正確にかつビス頭が見えなくなるぐらいの穴を開けることができています。
これでテーブルの下から天板と脚材の補強と反り防止になるはずです。
ダイニングテーブルの天板交換
力板と天板の準備ができたので、ここから部材全てを組み立てていきます。
脚材のボンドを鉋で削り落とす
とその前に天板を脚材から離したときに脚材にもボンド痕が残っていたのでこちらも鉋で削り落としました。
ダイニングのど真ん中で鉋を使用してガリガリやったので掃除機を使用しながらの作業で結構大変でした……
新しい天板が中心に来るように調整をしてビスで固定
まずは脚材に天板から取り付けていきます。
取り付け方は写真のように天板を床に置いて、脚材を反対にしてビス止めをしました。
この方が、天板を脚材の中心に取り付けやすいからです。
この時天板を脚材の中心に取り付けるために、直尺で天板の端4点から脚材までの長さを揃えてからビス止めしました。
4点を揃えることで中心が出ているということです。
力板をはめ込んでビスで固定
天板と脚材の固定が終われば、古い天板で制作した十字の力板を取り付けていきます。
脚材の内側の寸法通りに、正確に部材がカットできていればちゃんと入るはずです。
この時、力板にボンドを付けてもいいのですが、仮に今後また天板を外したりすることがあるかもしれないので、今回はビスだけの固定としました。
ビスだけでも、これだけしっかり止まっていれば十分力板として役目を果たしてくれます。
天板を交換したダイニングテーブルの完成
こちらが作業がすべて終えた天板を新しくした我が家のダイニングテーブルになります。
1.2mの円卓なのでかなり広いテーブルとなりました。
また、前回の記事で紹介した天板の割れ部分に取り付けたウォールナットの契りも少しだけアクセントになっています。
下から取り付けた力板です。
もともとテーブルに付いていたのではと思わせる完成度だと自分でも思っています…
ダイニングの部屋に関しては下の記事で詳しく紹介しています。
ダイニングテーブルの天板を新しく交換:まとめ
今回は今まで使用していたダイニングテーブルの天板を思い切って新しく交換をしました。
また、以前の天板は新しい天板を支える力板としてリメイクし今でも新しい天板を支えています。
力板の加工時に「相欠き」の方法を紹介しました。
また、ビスの穴あけ時に正確な墨付けの方法を少し紹介しました。
工場と違いDIYなど自宅でやる環境には必ず限度や制限があります。
ですが、工夫をすれば今回のような加工もDIYでやることができます。
ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。