- DIY初心者でも本格的な鉋を使えるようになる
- 余計な専門用語などを省き要点だけを分かりやすく解説
- 鉋の基本と使い方が分かる
- お金を掛けずに全てホームセンターで揃う道具で解説
DIYでいろんなものを作り始めても、鉋(かんな)は扱いが難しそうで使ったことがないという方は多いのではないでしょうか?
「実際にネットで鉋の使い方や刃の研ぎ方を見てみると、サイトによって言っていることや説明の内容が違う」
「なんか砥石とかいろいろ集めるとお金もかかりそうだ……」
などの扱いにくい点が多くあります。
しかし、ちゃんとポイントを抑えて少し練習すれば、ホームセンターで売っている鉋と砥石だけで誰でも鉋は使えるようになります。
刃物専門店やお高い砥石など買う必要は全くありません。
今では鉋といっても、自分で刃を研がないで使用できる替え刃式や台がアルミやプラスチック製など初心者向けのお手軽鉋も販売されています。
しかし、切れ味は絶対的に自分で研いだ鉋の方が抜群にいいです。
どうせならDIYが好きな方に自分で刃を研いで鉋を使用してほしいのです。
そして鉋の魅力を知ってほしいです。
そこで、この記事では、初心者向けといわれるお手軽鉋に頼らない、自分で刃を研ぐ鉋に関して解説していきます。
なので、こちらの記事では替え刃式や電動などの鉋の紹介は一切しません。
「DIY初心者でも本格的な平鉋を自分で仕立てて使えるようにすることを目指した記事です。」
そして、プロ並みの鉋と高級な砥石は一切使用しません。
全てホームセンターで揃えることができるお手頃な商品で鉋を使えるようにします。
この記事では、「鉋の基礎知識から鉋の使い方編」になります。
「刃の研ぎ方編」「台直しのやり方編」「ワンランクアップテクニック編」など今後も鉋に関して公開予定です。
まずはしっかり基本を学んでください。
刃の研ぎ方の記事を公開しました。
刃を研ぐことと同じくらい大切な台下端の調整の仕方の記事です。
┗DIYで台直し鉋を使用しない簡単な鉋台の下端を仕込む方法を解説
実際に鉋掛けをしているところをYouTubeで公開しました。
鉋掛けの参考にしてみてください。
チャンネル登録もよろしくお願いします。
DIYで鉋を使う魅力とは?
鉋の一番の魅力は上手に刃を研いで、薄く鉋屑が出てきて、ツルツルの材料に仕上がった時が一番の魅力だと思います。
それは、鉋が他の工具よりも扱いが少し難しいからというのがあります。
例えば、ノコギリは初心でもとりあえず切ることができますし、玄能(トンカチ)はとりあえず釘を打つことはできます。
大体の工具は初心者でもなんとなく使えることができるんです。
それが鉋になると、使う前から
- 刃を研いでおく
- 台を調整する
- 刃の出を調整
- 逆目が出ないように裏刃を調整する
- 木の木目を見て削る方向を決める
それから実際に鉋で削ります。
これでは全くのド素人がいきなり扱えるわけがありません。
だからこそ「この記事ではなるべく分かりやすく簡単にDIY初心者でも鉋を使えるようになる」ということを軸に説明をしていくというわけです。
DIYで鉋が使えるようになるのに必要な技術
- 鉋の基礎知識と基本的な使い方
- 刃の研ぎ方
- 台の調整の仕方
大きくはこの3点を身に付ければ鉋を使用して木を薄く削ることができます。
それ以外にも、刃の微妙な研ぎ方のコツや注意点など細かいコツはたくさんあります。
また、人それぞれの鉋の扱い方に違いもあります。
まずはDIYで鉋を使い物になるようにしましょう。
その後経験を積んでいけば自分でもいろいろとコツをつかんでくるはずです。
そしてこの記事は①の「鉋の基礎知識と基本的な使い方」に関して解説している記事になります。
刃の研ぎ方の記事を公開しました。
刃を研ぐことと同じくらい大切な台下端の調整の仕方の記事です。
┗DIYで台直し鉋を使用しない簡単な鉋台の下端を仕込む方法を解説
DIYで便利な鉋の活用方法
- 木材の表面をツルツルに仕上げることができる
- 組み合わせ時の段差を処理することができる
- 木材の反りを直すことができる
- かどの面を取ることができる
木材の表面をツルツルに仕上げることができる
鉋といえば木材の表面の仕上げです。
電動サンダーやヤスリなどでは手鉋のツルツルな仕上がりは出せません。
なので電動サンダーやヤスリでは出すことができない木材のツルツル感出せるので鉋だけです。
また、鉋を何回か掛ければちょっとした傷やへこみを削り落とすことが可能です。
キズ補修やへこみの直し方はこちらの方法でもできます。
┗無垢フローリングやDIY中に発生した木材のへこみをアイロンできれいに直す方法
┗【傷やへこみ隙間の補修】職人が選ぶ簡単で楽に使えるウッドパテの使い方
組み合わせ時の段差を処理することができる
おそらくこの段差の処理が意外と鉋で一番便利な使い道かもしれません。
DIYで材料を組み付けて完成させていくとき、どうしても微妙な段差が発生します。
少しでも段差が出ないやり方はこちらでも紹介しています。
┗木材をL型にズレなくビス止めする方法【瞬間接着剤とコーナークランプ】
組み合わせるときにズレが全くないというのは非常に難しく、ほんのちょっとのズレを鉋ではきれいに無くすことができます。
なので鉋を覚えると微妙な材料どうしのズレを処理することができるので作品の仕上がりを良くしてくれます。
木材の反りを直すことができる
木材は必ずといっていいほど反りが発生します。
鉋を使用すれば、反っている場所を鉋で削ることで平らな木材にすることができます。
また、ノコギリで斜めに切ってしまったなどの微調整も鉋でできます。
┗ノコギリで垂直にまっすぐ木材を切るコツ 正しい使い方を1から解説
かどの面を取ることができる
SPFなどの木材は最初から丸面の処理がされていますが、それ以外の木材は一般的に角の処理がせれていないので完成品が未処理だと非常に触った時に危ないです。
このようなときに鉋で面を取ることができます。
面を取りたいときには、鉋の方がヤスリよりきれいに面を取ることができます。
ノコ目をきれいに落とすことができる
丸ノコなどで木材をカットすると丸ノコと刃の跡が残ってしまいます。
このノコ目を鉋できれいに削り落とすことができます。
鉋を使いこなせれば、材料を丸ノコなどで切り落としたら一度全体を鉋が削るとよりきれいな状態で次の工程に移ることができます。
集成材を丸ノコでカットしてノコ目を鉋で仕上げて制作したキーフックボードです。
鉋の最低限覚えておくべき部位の名称
鉋に関して細かい名称などはDIYで使用するのに一切覚える必要はありません。
そういう私も詳しく部位の名称など細かいことまで覚えていません。
なので、今後やり方など解説していくのに使用する最低限の名称だけ把握しておけば十分です。
後は解説しながら紹介するのでいったん最低限だけです。
特に覚える必要はないので、もしわからない用語が出てきたら上の写真で確認してください。
鉋は刃物!!刃で指を切らないことに注意
鉋は皆さん知っての通り鉋には刃物が付いています。
そして、この鉋の刃はちゃんと研ぐとカッターなどよりもメチャメチャ切れます。
紙は余裕でスッパと切れるし、鉋の刃でお肉を切るのもそこらの包丁より余裕で切れます。
それほどの刃を扱うわけですから指を刃の上で少しスライドしただけできれいに切れて怪我をします。
なので、鉋を扱う際は刃は絶対に気を付けてください。
刃物が一番切れるのは刃の上で横にスライドした時です。
料理をする人なら分かると思いますが、包丁も真っ直ぐ下すより手前に引きながら切った方が食材を上手く切れると思います。
鉋の刃も同じです。
凄く切れる刃でも上から押すだけではそんに切れることはないです。
しかし、刃の上で横にスライドしたらスッパと切れます。
なので、絶対に刃先をスライドして触るなどの危険な行為は止めましょう。
刃先はかなり切れるので指などを切らないように気を付けましょう。
DIYで使用するならホームセンターで売ってる鉋で十分
鉋は熟練の職人が使っている何万円もする鉋でないと木材を薄く削れないと思っていませんか?
そんなことは一切ありません。
ホームセンターで売っているお手頃な価格の鉋でもちゃんと準備すれば使い物になります。
反対に無理して高価な鉋を買ったからといって使い方をや手入れの仕方を知らなければ使い物にならなくなってしまいます。
思い切っていきなり高価な鉋を買うのは宝の持ち腐れです。
最初に購入する鉋は1万円以上の鉋はまず買う必要はありません。
本格的に木工をやりたい、鉋を楽しみたいというのであれば安い鉋で上達してから高価な鉋を使用しましょう。
私の使用している鉋は5,000円以下
私の自宅で使用している鉋は藤原産業が販売している「千吉
平鉋とはこのようなよく目にする一般的な形の鉋を言います。
値段は5,000円しないで購入できる低価格な鉋です。
「千吉
なので、初めての鉋で練習用にするのにとてもおススメです。
実際に使用している写真はすでに見てくれていると思いますが、この「千吉」は安物の鉋ですが、しっかり刃を研いで台を調整すればDIYで大活躍します。
鉋掛けをするのには木材の順目と逆目を見分ける必要がある
- 繊維に沿っている方向を順目(じゅんめ)
- 繊維に対して逆立てる方向を逆目(さかめ)
- 鉋は基本的には逆目でなく、順目で鉋を掛ける
- 木の順目と逆目を見分けるには木目で判断する
順目と逆目とは木材の繊維の方向である
鉋掛けをするときには木目によって適する鉋掛けをする方向があります。
木はある程度一定の繊維の方向があり、その繊維方向に沿って鉋掛けをするときれいに削ることができます。
この繊維に沿っている方向を順目(じゅんめ)と呼びます。
逆に繊維の流れとは逆らった方向で鉋掛けをすると、削った後の木材がバリバリになってしまう方向を逆目(さかめ)と呼びます。
順目と逆目をもう少し分かりやすく説明すると。
クシで自分の髪の毛をとかすときって下から上にはやりませんよね。
必ず上から下にとかすと思います。
これは髪の毛の生え方が上から下に向かって流れているのでその流れに沿ってクシを入れるんです。
この方向が順目になります。
反対にクシを髪の毛の下側から入れるとゴワゴワになって髪をとかすことはできないです。
このような状態を逆目というのです。
鉋は基本的に逆目でなく、順目で鉋を掛けます。
木材の順目と逆目の判断方法
木目の流れで判断する
木の順目と逆目を見分けるには一番分かりやすいのが木目を見ることです。
木目はある程度木の繊維に沿って流れているので木目の流れを見ます。
例えば分かりやすい木材の状態で説明すると、
こちらの写真を見てください。
よく見ると木目が左上から右下に向かって流れているのが分かりますか?
これが木目の方向であり、順目と逆目を見分けるポイントです。
この場合は材料の上側の場合は右から左、下の場合は左から右が順目ということになります。
では同じ材種の違う材料で再度順目を見極めましょう。
こちらは先ほどとは逆に右上から左下に木目が流れているのが分かります。
両方逆目の時もある
木材は先ほどみたいにどの材料も規則正しく木目が流れているわけではありません。
なので、下の写真を見てください。
木目の流れが途中で変わっています。
このような場合は片方から鉋を掛けると必ず木目の変化している位置で逆目で削らなければいけなくなってしまいます。
なので、この後説明する逆目のバリバリを止める「裏金」が大切になってくるんです。
木の表面を撫でて確認する
次の確認する方法は木材を触ってみることです。
先ほど木は髪の毛のように流れがあると説明しましたが、髪の毛と同じようにして見ればいいのです。
どういうことかというと、木材の表面を撫でてみて木の表面の触った感じが逆立っているようなら逆目で、流れに合っているのであれば順目です。
これは木の表面が荒れている方が分かりやすいです。
今回はこの2パターンの順目と逆目の判断方法を説明しましたがこれは鉋掛けをする際に必要なテクニックなので覚えておきましょう。
鉋の刃はなぜ2枚あるのか、裏金の役目とは
2枚目の刃である「裏金」は逆目を防ぐための刃
先ほど紹介した千吉にしても、いろんな鉋を調べたことある人なら見たことあると思いますが、鉋には2枚の刃が付いているものと、1枚刃の物があります。
これは「裏金」という実際に材料に当たる刃と別の刃があるかどうかになります。
基本的には2枚刃の鉋を使いましょう。
この記事でも2枚刃の鉋で解説をしていきます。
では、なぜ鉋には2枚目の刃である「裏金」があるかというと、
裏金の役目は木材の逆目を防ぐためにあります。
裏金の役割、逆目を抑えるとは?
鉋掛けをする際の繊維の方向である順目と逆目を見極めると説明をしましたが、全てが必ず順目で鉋が掛けられるわけではない時があります。
しかしだからといって逆目で削るとバリバリになってしまいます。
そのようなときに裏金が活躍するのです。
そもそも逆目で鉋を掛けると繊維が下の図のように鉋の刃に引っかかって削れるというよりむしれてしまうのです。
しかしこの裏金がしっかり効くと、むしれてくる木材の繊維を裏金が断ち切ってくれるのです。
なので、裏金がしっかり調整されている鉋は逆目でもバリバリにならないで削ることができるのです。
裏金は逆目を抑える大切な刃ですが、根本はよく切れる刃で削ることが逆目を抑える一番の方法なのを忘れずに。
裏金が効いているかは鉋屑で分かる
鉋屑の出方によって裏金の効き具合が分かります。
まず、裏金が刃よりも出てしまった状態です。
これでは話になりません。
裏金が材料に当たっているので刃が材料に当たっていないので、鉋屑がちりちりになって出ています。
これはいったん刃を抜いて再度合わせる必要があります。
次に裏金の調整があまい時です。
裏金が効いていない状態だと削ることができても鉋屑がクルクル巻かれて出てきます。
このようなときはもう少し裏金を締めてみましょう。
こちらが裏金がしっかり効いている状態です。
鉋屑が巻かれずにすーーとまっすぐ出てきます。
これが一番鉋を掛けていて気持ちいい状態です。
鉋の基本的な使い方
ではここから鉋の使い方を解説していきます。
使い方はもちろん私の千吉
実際にやっている手順に沿って説明していくのが一番分かりやすいだろうと思い、実際の鉋を使用する順に従って解説をしていきます。
*刃の研ぎ方と台の調整方法は別記事で解説予定なのでお楽しみに。
*どうしても刃の微妙な見え方が写真だと上手くピント合わず見づらくなっています。
後日改めて再撮影してみます……
刃の合わせ方を解説
鉋掛けの手順としては基本的に以下の順に行っていきます。
- 鉋の刃を台から飛び出る手前まで出す
- 裏金をある程度刃に合わせる
- 再度刃を出したい位置まで調整して出す。
- 刃に合わせて裏金を合わせる
この4手順を踏むことで刃を合わせて鉋を使用することができます。
1. 鉋の刃を台から飛び出る手前まで出す
鉋掛けをやるための準備としてまずは刃を出さなければいけません。
ここで刃は1回で合わせずに最初は刃が鉋台から出る直前ぐらいまでにします。
これはなぜだかというと、刃を合わせた後に裏金を合わせますが、裏金を出すときに刃も若干動いてしまいます。
なので最初はいったん最終的に合わせる少し手前の位置まで合わせます。
鉋の刃の出し方
鉋の刃は写真のように玄能(トンカチ)で刃の頭の中心部分を叩いていきます。
*この時にきつすぎたり、緩すぎたりする場合もあるのでその時の対処は台直し編で解説していきます。
2. 裏金をある程度合わせる
次に裏金を出していきます。
こちらも刃を出すときと同じで、裏金の頭を叩いていきます。
この時刃よりも裏金は絶対に出さないように注意しましょう。
この段階ではまだ刃が完全に台から出てないのでしっかり合わせる必要はありません。
ある程度合わせればいいです。
ちなみにそのある程度がわからん言う方に私の場合はどんな感じか、
参考に上の写真で確認しておいてください。
だいたい0.5mm~1mmぐらい刃先と距離があります。
裏金の出を確認するには
では裏金がどのくらい出ているかを確認する方法ですが、
実際にやってみると分かりますが、上から覗くと刃と裏金の境目が暗くて分かりにくくどこまで出せばいいのか分かりません。
そのようなときは、このように鉋を上下逆さに持ち、明るいところへ鉋を当てると見やすくなります。
太陽の方へ鉋を向けるのが私の中では一番見やすいかなと思います。
あとは室内の照明に当てて見るのもいいでしょう。
3. 再度刃を出したい深さまで叩いて出す
ここで再度刃を叩いて実際に削る深さまで刃を調整していきます。
鉋の刃を台から少しだけ出して木材を削れるように調整していきます。
刃の出方を確認する方法
次はしっかり刃の出具合を確認する必要があります。
鉋の刃をどうやって見るかというとこのような目線で見ます。
鉋の裏返しにして台の下端の尻の方から片目で睨むように確認します。
この時目線と台はある程度まっすぐで若干台の頭が上がっているぐらいが見やすいです。
写真のような目線で台の先端が見えるか見えないかぐらいが刃の出方が見やすいです。
そして、見るときのポイントですが白や明るい木材など明るい色が目線の先にある方が刃の出方が分かりやすいです。
普段刃を出すときには明るい壁、もしくはこれから削ろうとする木材を目線の先にして確認するとスムーズに確認できると思います。
刃が斜めに出ていた時の調整の仕方
刃の頭の真ん中を叩いていても微妙なずれや力加減で斜めに刃が出てしまうことがあります。
その時は写真のように刃の脇を軽く叩くと刃の斜めが調整できます。
軽く叩いても刃の斜めが変わらない時は、刃が斜めに研がれているか、台が斜めに調整されているかのどちらかになります。
なので、こうなってしまったら鉋の刃の出し方の問題ではないので、もう一度刃を研ぎなおすか、台直しが必要になります。
刃の抜き方
刃を合わせるときに刃を出しすぎてしまった場合は刃を引っ込めましょう。
鉋の刃の抜き方は鉋台の頭の両脇を玄能で叩きます。
玄能で叩くことによる衝撃が鉋の刃を緩めてくれるのです。
また抜くとき鉋を持っている手の人差し指で刃を押してやるとより抜けやすくなります。
この時に絶対守るべきポイント上がります。
それは台頭の中央部分は絶対に叩かずに両脇を交互に叩いてください。
この台頭の中央を叩くと台が割れる原因になってしまうのです。
なので、必ず台頭の両脇を叩くようにしましょう。
刃を抜くときは台頭の脇を叩くこと。
台が割れてしまうので絶対に中央部分を叩かないようにしましょう。
鉋の刃は髪の毛の太さぐらい出す
ここまでは鉋の刃の出し方、確認の仕方、抜き方と解説しましたが、結局どのくらい刃を出せばいいのかということです。
これは、私も実際に教わった例えですが、よく言われるのが髪の毛1本分の太さです。
ようはこれぐらい出しましょう。
写りがが悪くすみません…
これが大体普通の刃の出方でしょう。
ちなみにこの刃の出具合で鉋を掛けると鉋屑はこのくらいの厚さです。
参考のために先ほどより少し厚く刃を出した状態です。
さすがに先ほどより鉋屑が厚いです。
4. 刃に合わせて裏金を合わせる
刃を上手く出すことができたら次は裏金を合わせていきます。
裏金を上手く合わせることが逆目を止める大切なポイントなのでしっかり合わせられるようにしましょう。
『2. 裏金をある程度合わせる』で解説した裏金の出を確認する方法でまた見ていきます。
再度言いますが、裏金は刃より出しては絶対にダメです。
裏金は材料を削る刃ではないので必ず刃よりは引っ込めた状態にします。
では裏金をどのくらい出せばいいかというと写真で見るとこのくらいです。
刃よりも若干だけズレて引っ込んだ状態になっています。
もっと簡単に分かりやすく例えると、
刃と裏金のズレはカッターの厚さぐらいがちょうどいいでしょう。
確認の仕方はこうです。
カッターの刃を伸ばした状態にして裏金を確認するときにこのように刃の先端にカッターを持ってきて見比べてみましょう。
カッターの刃の厚さがだいたい鉋の刃と裏金をずらす微妙なズレに近いです。
なので、裏金の合わせを慣れない方は最初カッターの刃の厚さを参考にしてみてください。
鉋掛けのやり方を解説
では鉋の刃を合わせて鉋掛けの準備ができましたので、さっそく鉋を使用してみましょう。
鉋は先ほども説明しましたが順目に沿って削ります。
鉋の持ち方と力の入れ方
右利きの場合でご説明しますが、まず右手が台の下半分を持ちます。
そして左手は台の頭を支えるような抱えるような感じで持ちます。
この時重要なのは右手になります。
バスケットボールのシュートの仕方でもよく、「右手ボールの下で左手は添えるだけ」といますがこの表現が非常に近いです。
ですが、鉋掛けの場合全く左手は力を入れないわけではありません。
イメージとしては、
左手の力がが2~3割で右手の力が7~8割ぐらいです。
ちょっとしたコツですが、最初だけ左手で鉋を少し押してやるとスムーズに鉋掛けができます。
力まず、刃のキレに頼って引く
鉋掛けは力で削りません。
鉋の刃のキレ味で材料を削ります。
なので、力む必要性は全くありません。
腕の力で削ろうとせず、刃の先端に集中して削ることが上手く削るポイントです。
逆目や柔らかい材料には斜めに掛けるのもあり
鉋は基本的にはまっすぐ引いて鉋掛けをしますが、逆目で鉋を掛ける時や柔らかい木材を鉋掛けするときは鉋を斜めにして削るのも1つの方法です。
特に逆目をまっすぐ引いて鉋掛けをすると、逆目に向かって真っ向から削るので逆目が多く出てしまいます。
しかし逆目に対して斜めから刃が入ってくるとまっすぐに比べて逆目が出にくくなります。
また、柔らかい材料は刃に負荷が掛からずに削ることができるので斜めにすることで切れを重視して削ることができます。
鉋の置き方
鉋は刃を下にして置いてはいけません。
これは鉋の使い方で常識の知識です。
なぜなら刃が鉋を置く作業台に当たって欠けてしまうからです。
とわ言っても私はよく刃を下に置いてしまいます。
なぜなら置くの楽だからです。
ただ、置く場所がコンクリートなど硬い時は絶対に刃を下にして置きません。
下が木材など柔らかい時にそっと置いています。
ですが、一番いいのは鉋を逆さにして置く方法です。
よく見るのが、刃を下に置かないようするために横向きに置くこと。
この横向きは私の中でおススメしない置き方です。
一見刃を気にして置いていますが、仮に何か別なことをしたり作業台に体をぶつけてしまったなどの時鉋は不安定に立っているので非常に倒れやすくなっています。
なので、鉋が揺れて刃の面から台にバタンと倒れたら刃が欠ける危険性があります。
一番は手間でも逆さに置くのが刃にとって一番安全な置き方といえます。
鉋掛け時の材料の固定の仕方
鉋掛けをするときは材料をしっかり固定をしないと鉋に引っ張られて上手く鉋掛けができなくなってしまいます。
なので、木材の平面を削る時は材料の削り終わり側に当て木を準備します。
こうすることで鉋を引く力で動こうとする材料を当て木が抑えてくれます。
写真はクランプで固定していますが、クランプが鉋掛けの邪魔になる場合もあるのでビス止めの方がいいでしょう。
次に材料の側面を削る時ですが、
この時私の場合、家に余ってたすのこを利用してこのような鉋掛け用の固定台使用しています。
これを使用すれば削りたい側面を上に向けておけるので非常に活躍しております。
鉋の保管方法
鉋を使い終わったら刃を引っ込めてしまいます。
なぜなら常にきつい状態でいると徐々に鉋の台と刃が緩くなってしまい、すぐに刃がズレてしまう台になってしまうからです。
それと保管場所は日にあたる場所は高温多湿な場所は台が反ったりと狂ってしまう原因になるので、引き出しの中などしっかりと保管をしてください。
刃を緩めず作業台に置きっぱなしは一番やってはいけないことです。
鉋の基本知識と使い方:まとめ
今回は鉋に関して基本から実際に使用するまでの手順で解説をしていきまました。
この記事の内容はプロ向けというよりDIYで2枚刃の鉋を使用できるようになることに注力して書いています。
なので、小難しい専門的な話や、プロとしては重要なことは省いている部分もあります。
ですが、この記載された内容に沿って鉋を使えるようになれば絶対に鉋が使えるようになります。
そして、ホームセンターで全て揃えられる道具で鉋掛けができるようになります。