DIYをやる皆さんは『毛引き』という工具をご存じでしょうか?
おそらくDIYをやっている人でも知らないという方もいるのではないでしょうか?
毛引きとはこのような形をした工具になります。
初めて見る人にとっては「どう使うんだ?」と使い方も想像できない、あまり見慣れない工具だと思います。
この毛引きというのは「材料の端から印を平行に精度よく付けることができる」便利な工具なんです。
なので、是非この機会にこの毛引きの使い方を覚えてDIYで生かしていただきたいお思います。
DIYではあまり使用する方は少ないですが、毛引きが使えると墨付けの精度がグッと上がって、見栄えだでなく、加工の精度も上がりDIYのレベルアップができることは間違いありません。
この記事では「毛引きをDIYで取り入れるために使い方の解説と便利な活用方法を解説」していきます。
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毛引きは平行に一定の寸法を出せる
最初に話した通り毛引きとは材料の端から一定の寸法を平行に精度よく印を付けることができる工具です。
というのも、文字だけではよくわからないと思うので、こちらの写真を見てみてください。
毛引きを材料の端に当てて、この状態で奥から手前に引くように毛引きをスライドすることで一定の寸法を印することができるというわけです。
毛引きの種類
毛引きにはいくつか種類がありますが、大きく2種類があります。
ですが、使い方はほとんど同じなのでどちらを選んでもさほど変わりません。
二丁鎌毛引き
2枚の刃が付いているので2本の印を同時に付けることができます。
ですが、私の場合は外側の1枚しか使用していません。
それは、2枚を正確に合わせるなら1本ずつ印を付けた方が正確で速いからです。
なので、内側の刃はほぼ外の刃のぐらつきを無くすためぐらいの役目で使用しています。
一本竿毛引き
一本竿筋毛引き
なので、こちらの毛引きは1回で1本の線しか印を付けれません。
私は仕事でもこちらの毛引きは使用したことがありませんが、刃は替え刃式だったり、研いだりするらしです。
二丁鎌毛引きと一本竿毛引き購入するならどっち?
ではこの2種類の毛引きをDIYで使用するのに購入するならどちらが良いかということですが、私は二丁鎌毛引き
それは、二丁鎌毛引きの方が刃先が切れなかったときに刃を研ぎやすいということと、一本竿毛引きの刃はどうしてもちゃっちいイメージが合ってしっかりとした二丁鎌毛引きの刃で使用したいというのがあり、二丁鎌毛引きを購入するならオススメします。
ただし、値段で見ると若干ですが、一本竿毛引きの方が安いので少しでも安く購入を検討するなら一本竿毛引きでもいいかもしれません。
毛引きの部位名称
毛引きは簡単な作りなので、それほど名称も多くありません。
定規板:印を付ける部材に当てる毛引き本体部分
棹:定規板から飛び出ている持ち手となる柄の部分
毛引き刃:毛引きを使用するときに使う刃の部分
DIYで使用するのにオススメの毛引きは
毛引きは安価の物とプロ用の物では全く値段が違い、安いものだと1000円前後で購入できるし、高価なものだと10000円前後で売っている毛引きまであります。
この違いは素材の違いがあります。
高級な毛引きほど質が良く硬い木材を使用していて長く使っていても擦り減りにくいです。また刃も強度が良く切れのよい素材の作りになっています。
では、DIYで毛引きを使用するならどの毛引きを購入すればいいのかというと、はっきり言って安い毛引きで十分です。
DIYなので毎日何時間も作業をするわけでないのでそれほど台が擦り減ることもないです。
そして、ちゃんと使用すれば安くてもそれほど気になりません。
もし、材料に当てる部分がへこみやすり減りが出てきたら、ヤスリで平らに削ればいいだけなので、お手入れも難しくありません。
それか、1台1000円ほどなら気軽に買い替えることもできます。
もし毛引きで高級なものを購入するなら、その費用を別の工具を購入する費用に回した方がいいでしょう。
実際に私が自宅で使用している毛引きはホームセンタで1000円ちょっとくらいで売っていたお手軽で安価な毛引きですが、十分な活躍をしています。
毛引きはどこで購入する?
では毛引きを購入する場合どこで購入するかというと、ホームセンターに売っています。
小さいホームセンターでは売っていないかもしれません。
だいたいは、鉋やノミなどの近くか、墨付け系の道具の当たりにあるので探してみるといいでしょう。
もし売っていない場合やわざわざ探しに行くのが手間なときはネットでもいいでしょう。
ネットでも安価な毛引きは売っています。
ただ、安いだけ送料がちょっとかかってしまうので何かと一緒にまとめて購入するのがいいでしょう。
毛引きを使用する前の定規板の仕込み
毛引きを購入したら、使用する前に一工夫お手入れをするのをおススメします。
それは、定規板の材料に当たる面を平らに削ることです。
購入したばっかりの毛引きは定規板がゆがんでいる可能性があります。
そして、毛引きはこの材料に当たる部分が平らでないと精度が悪くなります。
なので、最初に平らになるようにヤスリで定規が板を削りましょう。
やり方は平らなものにヤスリを張り付けます。
そして、そこに毛引きの定規板の材料に当たる面をヤスリに当てて全体が平らになるまで削ります。
写真は刃を付けたままですが、刃を取って削った方がいいです。
また長く毛引きを使用していてへこんできたり、歪んできたら同じ方法で手入れをすることができます。
こちらのヤスリで平面を出す方法は鉋台の下端調整でも使う方法で、詳しくは下記の記事に平面出しの解説をしているので合わせて読んでみてください。
┗DIYで台直し鉋を使用しない簡単な鉋台の下端を仕込む方法を解説
毛引きは材料に当たる定規板が平らでないと精度が悪くなるのでヤスリで平らにしましょう。
毛引きの使い方
では、ここから実際に毛引きの使い方、実際に使用しているところをご紹介していきます。
毛引きは見慣れない工具ですが、難しい道具でもなくむしろ単純な工具なので使ってみれば簡単に使用することができます。
刃を合わせる
毛引きの使い方はまず印を付けたい寸法に刃を出して合わせることです。
合わせ方は、固定しているネジを締めたり緩めたりしながら何度も刃を微調整します。
ですが、手早くそして早く刃を合わせる方法があります。
それが、上の写真のように直尺にストッパーを付けてストッパーに刃を当てれば簡単に正確な寸法を合わせることができます。
毛引きの持ち方
毛引きの持ち方ですがまず、人差し指と中指の間に毛引きの右の柄の部分を挟むように持ちます。
そうしたら、親指を毛引きの台の上に沿えるようにして使用します。
刃の部分に親指を当てると印がズレる可能性もあるので刃には触らないようにします。
印を付けるときは、奥から手前に引くように
刃の形状を見ていただければわかると思いますが、毛引きは奥から手前に引くように使用する工具です。
そして刃を使用して線の印を付けていくということになります。
この時、一度に深く印を付けないようにしてください。
最初は力を余り入れずに軽く通すくらいの気持ちで印を付けます。
もし、更に深く印を付けたい場合は再度毛引きで印を付けます。
1回で深く印を付けようとするとズレる原因になりますので止めましょう。
力まずに刃のキレを利用して「す~~と」材料に毛引きを通すように使用するのがコツになります。
毛引きの便利な利用法
1.平行に同じ寸法に印を付ける
これは最初の方からもう伝えていますが、平行に一定の寸法を印付けできるというのは非常に便利です。
例えば、これをスケール(メジャー)でやろうとすると、2点もしくは3点を点で印を付けて定規で線を通すようなやり方もありますが、はっきり言ってこれだと精度が悪いです。
均一に平行に印を付けることに関しては毛引きが一番精度が出る工具であり方法です。
2.確実な材料の中心を出すことができる
毛引きを利用すれば、確実な木材の中心に印を付けることが簡単にできます。
その方法は交互に左右から毛引きで印を付けるのです。
この時左右両方から印をしてどちらも同じ位置に印が来れば中心線ということになります。
なので、何度か調整をしながら左右両方の印が中心に来るように刃を合わせます。
これで合わすことができたら全体に中心線を平行に印を付けることができます。
3.ビスや穴を開ける位置を揃えて印を付けることができる
家具や雑貨などDIYで制作するときに下穴を開けてビスを打ったりダボ埋めしたりすることがあります。
そんな時作品のビスを打つ位置がバラバラだと完成した後の見栄えに影響が出ます。
どうせならビスを打つ位置を全部揃えた方が作品もきれいに見え出来が良くなります。
しかし、スケールで全てを印してからビスを打つのは中々手間のです。
そんな時に毛引きが活躍します。
毛引きでビスを打つ位置を一度合わせてしまえば、同じ寸法の印を簡単に付けることができます。
例えば上の写真のようにビスをこの材料の中心に打ち込みたいとします。
そんな時、毛引きで印をしてしまえば簡単にて材料の真ん中にビスを打つことができます。
*上の写真は見やすいようにかなり大げさに深く印をしていますが、実際はもっと薄く印をするだけで大丈夫です。
4.幅の狭いベニヤを切り落とす
毛引きは刃が付いているので、印を付けるだけでなく薄いベニヤなら写真のように切り落とすことができます。
薄いベニヤをこのように切る時に丸ノコを使用すると薄く安定しにくいので、毛引きの方が簡単に切ることできます。
毛引きで切る場合は片面だけでなく両面から刃を入れ、それでも切れない場合はカッターで何回か切れば切り落とすことができます。
5.ダボで巾接ぎ加工など精度が重要なときに便利
巾接ぎとは材料どうしを繋いで幅の広い材料にすることを言います。
この巾接ぎはいろんな方法がありますが、私が家でやるときはなるべく専用の工具を揃えずに済む方法でやっています。
それが木ダボを使用して巾接ぎを行うのですが、その時のダボの印付けに非常に便利です。
ダボの場合だとほんの少しのズレでダボが入らなかったり、材料に段差が出やすくなってしまうので、より正確な印を付ける必要性があります。
そんな時に同じ面から毛引きでダボを開ける位置を出せば、ズレの非常に少ない墨付けをすることができます。
毛引きの欠点 木材に傷を付けてしまう
毛引きにも欠点があり、ここまでの使い方を紹介してきた写真を見てくれた方なら分かると思いますが、毛引き刃を使用して印を付けるので材料を傷付けてしまいます。
なので、考えて印を付けていかないと完成した作品に毛引きの跡が残ってしまうなんてことがあります。
ただ、これは簡単に防げることなのでご紹介しておきます。
見える場所に使用しない
単純に見えない場所にしか印を付けないということです。
例えばビスを打つ場所にしか印を付けない場合は、ビスの頭より小さい印にすればビスを打った時に印は消えて見えません。
なので、材料全体に印を付けるのでなく、ビスを打つところだけ印を付けるようにしましょう。
鉋で削って印を消す
薄く書いた毛引きの印なら鉋で削って落とすこともできます。
余り深く刃を入れていると、鉋でも落ち切らないので薄く記されているのに限ります。┗DIY初心者でも分かる鉋の基本知識と使い方
鉛筆やボールペンの芯を取り付けるようにカスタマイズする
一本竿毛引きの刃が付いている部分に穴を開けて鉛筆かボールペンの芯を取り付けできるようにすれば、傷を付けずに印を付けることができます。
しかし、この場合は刃で付けた印より太い印になってしまうので正確性は少し落ちてしまいます。
毛引きの使い方:まとめ
- 毛引きは平行に一定の寸法を出せる便利な工具。
- 購入するなら1000円ちょっとで買える二丁鎌毛引き
がオススメ。 - 毛引きは材料の中心を出せたり、下穴やビス位置を正確に出すのに便利。
- 毛引きは刃で材料に傷を付けて印を付けるので、見える位置には使わない方がよい(対応策あり)
今回はあまり見慣れない工具である毛引きをご紹介しました。
毛引きは意外と使ってみると簡単で便利な工具で購入しても1000円ちょっと買えるので、是非DIYでも使っていただきたい工具の1つになります。
毛引きを使えるようになれば、墨付けの精度が上がりDIYのレベルアップ間違いなしです。