こんにちは、木工職人で木工DIYクリエイターのNaotoです。
木工職人として働きながら、Youtubeで動画の投稿やブログも書いたりしています。
『NaotoWorkingStudio』では自分のDIYを公開しており、
『Naotoの木工DIY部屋』では木工DIYを初心者向けにやり方や作り方などを解説しています。
- 木取り図とはどんな図なのか分かる
- 木取り図を書くメリットが分かる
- 木取り図を書く際の注意点が分かる
- 木取り図の書き方が分かる
早速ですが、今回は、
「木材の無駄をなくす木取り図の書き方」
こちらを解説していきます。
前回の記事では設計図の書き方に関して解説をしました。
今回は設計図の書き方の続きになりますので、ぜひまだ前回の記事を見ていない方は見ていただくことをオススメします。
そして、今回は木取り図ということで、皆さんの中でも
「木取り図ってなんだ?」
と思っている方はおそらくいると思います?
今まで全く聞き慣れない図面かも知れませんが木取り図は絶対に知っておいた方が良い、そして書くことによるメリットがたくさんある図面なのでこの動画でしっかりと解説をさせていただきます。
今回もDIY初心者向けにこの記事ではしっかりと
木取り図とはなんなのかということから解説していき、
木取り図を書くメリット、そして書き方を分かりやすく解説していきます。
最後には前回と同じく木取り図を実際に書いてみるのでぜひ一緒に書いてみてください。
というわけでやっていきます!
この記事の内容はYoutubeで動画でも見ることができます。
木取り図とは
それではまずは木取り図とはどんな図なのかということを解説していきます。
木取り図とは冒頭でもお伝えしたように、材料の無駄をなくすことができる図面です。
もう少し詳しくいうと、
「木材一本から使用する材料を効率よく切り出すための図面」です。
分かりましたか?
1:木取り図を問題形式で紹介
正直分かりにくかったと思うので実際に簡単な問題を出してみるので考えてみてください。
例えばですが、ちょっとした算数になります。
こちらの1mの木材から、
- 50cm×1本
- 40cm×2本
- 30cm×1本
- 20cm×2本
これらを効率よく取るには、この1mの木材は何本必要かということを考えてみてください。
この時、端を切り落としたり、ノコギリの切りしろなど細かいことは気にしないで簡単な算数だと思って考えてみてくださいね。
それではどうぞ!
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いかがでしたか?
何本になりましたか?
それでは一緒に考えてみましょう!
2:木取り図の間違ったパターン
まず、間違いパターンから、紹介します。
50cmー40cmで1本(余りで10cm)
40cmー30cmー20cmで1本(余り10cm)
20cm1本で(余り80cm)
合計3本
このように考えた方は間違いです。
なぜならこの材料の取り方だとそれぞれ10cmずつ無駄が出てしまっていますね。
これだと1本目、2本目で合計20cm無駄があります。
1本の木材から無駄が出る取り方は余計な端材と費用ばかりが掛かってしまう。
3:木取り図の正解パターン
それでは、ここからは正解の回答になります。
50cmー30cmー20cmで1本余りなし
40cmー40cmー20cmで1本余りなし
合計2本
これならどうでしょうか?
ピッタリ1mの木材2本で効率よく取ることができたと思います。
こうやって木材からどうやって効率よく材料を取ることができるかを分かりやすくするための図が木取り図ということになります。
どうですか?理解していただけましたか?
それでは次にいきます。
なるべく無駄を出さずに効率よく材料取りするために木取り図が大切ということ。
木取り図を書くことのメリット
というわけで、木取り図に関してはなんとなくわかったかなと思います。
次はこの木取り図を書くことによるメリットを紹介します。
木取り図を書くメリットは大きく3つあります。
- 必要な材料の数が明確になる
- ホームセンターでのカットをお願いしやすくなる
- DIYの作業効率がよくなる
この3つです
1:必要な材料の数が明確になる
まずは、「必要な材料の数が明確になる」に関してですが、
これは先程も話した通り、無駄をなくし効率よく材料を取ることがわかるので、余計に木材を買うことがなくなるっていうことですね。
なので無駄な出費を抑えることができるということですね。
2:ホームセンターでのカットをお願いしやすくなる
次に「ホームセンターでのカットをお願いしやすくなる」ということですが、
ホームセンターでは数十円で木材をカットしてもらうことができます。
その時に店員さんにカットする順番や長さ、数量を指示する必要があるんですね。
この時に木取り図を書いておくと、木取り図をもとにお願いをすればスムーズな流れでカットをお願いすることができるというわけです。
だからこそ、ホームセンターでカットしてもらうときは木取り図を書いておいた方がいいということですね。
3:DIYの作業効率がよくなる
最後に「DIYの作業効率がよくなる」ということですが、
木取り図を書くことで木材をどの順で切り出せばいいかが自分でもはっきりします。
なので、作業時には木取り図を見ながらスムーズに作業に取り掛かることができます。
反対に木取り図がないと、その都度どこの部材を切り出すかを考えながらカットしなければいけないのでどうしても作業性は悪くなってしまいます。
木取り図を書く上で2つの注意点
それではここからは木取り図を書く前に、木取り図を書く上での注意点を先に2点だけお伝えします。
- 木材の端をカットする
- カット時の『切りしろ』を考慮する
木材の端をカットする
まず、「木材の端をカットする」ですが、
ホームセンター等で購入する木材は端が荒れていることがほとんどなので2、3センチはカットしてから切りたい長さに切り始めてください。
なぜなら、木材の端は荒れているだけでなく、割れている可能性も高いので必ずカットしてください。
実際にこちらのSPF材ですが、端がこのように荒れた状態です。
一度カットしてきれいな状態にしたほうがいいですね。
カット時の『切りしろ』を考慮する
次に「カット時の切りしろを考慮する」ですが、
材料と材料の間はノコギリや電動工具で切り出す時の切りしろが発生するので3〜5㎜ほど余裕を見た方が良いです。
切りしろってなんだと思った方のために解説しておきます。
切りしろとはこのようにノコギリの刃の厚みのことです。
ちなみに上の工具は丸ノコになります。
ノコギリで木材をカットすると、この刃の厚み分切れてなくなってしまうのでそれを考慮しなければいけないよ、ということになります。
例えば最初に使用したこの板ですが、現状ピッタリ1mあります。
これを一度丸ノコでカットすると、
998.5mmと短くなってしまいました。
つまり、刃の厚み分短くなったということになります。
分かっていただけたでしょうか?
「それでも、たかが数ミリだろ」
と思うかもしれませんが、
1本の木材から何本もカットすると合計1cmや2cmも短くなってしまいますし、
特に初心者にありがちな勘違いが、
『先程の1mの木材を半分の50cmと50cmにカットする』
これはできませんよね!
なぜなら丸ノコでカットしたら1.5mmなくなってしまうからですよね。
こういうところから1カットするごとに3〜5mmは刃の厚みを考慮しておいてくださいということになります。
木取り図を書く
それではここから実際に木取り図を書いていきます。
前回の記事でこちらの椅子の設計図を書いてみました。
せっかくなのでこちらの椅子の設計図をもとに木取り図を書いていきます。
1:箇条書きで材料を書き出す
まずは木取り図を書く手順として事前に、切り出す材料を箇条書きで書き出すと木取り図が書きやすくなります。
例えば、設計図を見ながら材料を書き出すと、
このように必要な材料が一覧で見やすくなります。
2:書き出した一覧をもとに木取り図を書く
次にこの一覧をもとに木取り図を書きます。
この椅子の脚材に使用している木材は全て同じサイズの木材なので木取り図は非常に簡単になります。
今回は仮に1mの木材から材料を切り出すには、
という設定で木取り図を書いてみようと思います。
というわけで、それではさっそく木取り図を書いてみます。
木取りを書き終えました。
木取り図に関して書き方は自由でいいですが、
僕は横線を引いて、木材からどう効率的に取ればいいかを考えながらこのように書いています。
端は2cmの切り落とし分で、カットしたところは5mmの余裕をみてます。
3:木取り図から必要な木材の数量を出す
つまり、3cm×4cmの1mの木材から椅子の脚材の材料を切り出すと
5本必要ということが分かりました。
今回は非常に簡単作りの椅子だったので木取り図も簡単でしたが、これがいろんな種類の木材を使用して作る作品になるともう少し複雑になります。
例えば合板という板状の材料を使うときはもっと縦から切るか横から切るかなども考えたほうがいいのでもうちょっと難しくなりますね。
4:木取り図を書いて木材の余裕が分かる
これは木取り図を書くメリットとして書きませんでしたが、
今回の場合は木取り図を書くことで必要な木材だけでなく余り材がどれだけ残っているかが見えてきましたね。
どういうことかというと、最後の木材は結構長めに余りましたよね。
ということは、実際に作り始めてから29cmや16cmの木材なら
仮に後から割れているのが気づいたり、間違って傷つけてしまった、加工を間違えたなどの場合、材料の取り直しができるというわけです。
反対に61cmの木材は余裕がないので切り出すときは慎重に見極めてからカットしなければいけないということになりますね。
5:材料と撮り方は一通りでない
実は先程紹介した木取り図と若干違うパターンでも材料取りができるなと後で気づいたので紹介します。
こちらは先程と違い、16cmの材料を1本から2本ずつ先に取る考えです。
このような材料の取り方をすると、最後の5本目の木材の余りが長く取ることができます。
最初の木取り図は30.5cmだったのが37cmとなります。
余る材料はなるべく長い方が使い回しが効くのでこちらの材料の取り方の方が良いとも言えます。
そんなところで木取り図の解説は終わりです。
木材の無駄をなくす木取り図の書き方:まとめ
というわけで、今回は「木材の無駄をなくす木取り図の書き方」でした。
まとめると、
木取り図とは、
『木材一本から使用する材料を効率よく切り出すための図面』ということ。
そして木取り図を書くことによる3つのメリットがこちらでした。
- 必要な材料の数が明確になる。
- ホームセンターでのカットをお願いしやすくなる。
- DIYの作業効率がよくなる。
実際にこの椅子の脚材の木取り図がこちらということでした。
前回と今回で設計図、木取り図の書き方を解説してきました。
図を書くというのはどうしても難しそうという印象があったと思いますが、
「少しでも簡単だった」、
「自分でも簡単に書くことができた」
という方がこの記事を通して増えてくれれば嬉しいです。
ですが、もし難しかった、分からなかったという点が少しでもあればYoutubeのコメント欄があるので気軽に書き込んでください。
もし全体に質問が聞かれたくないという方はTwitterのDMなどでも受け付けているのでぜひ質問いただければと思います。
最後まで見ていただきありがとうございました!
この記事の内容はYoutubeで見ることができるので、この記事が参考になった、よかったと思ってくれたら、一言でも動画のコメント欄に感想を書いてくれると今後の記事作成の励みになります!